研究課題/領域番号 |
22K05943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
酒井 順子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (10354052)
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研究分担者 |
常田 岳志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20585856)
伊勢 裕太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 研究員 (20845648)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 嫌気的メタン酸化 / 嫌気的メタン酸化古細菌 / 水田土壌 / 古細菌 / 水田 / 土壌 |
研究開始時の研究の概要 |
水田からの温室効果ガス、メタンの排出量は、微生物によるメタンの生成と消費の差で決まる。水田メタンの消費は主に、酸素を電子受容体とする好気的メタン酸化菌が担うと考えられてきたが、近年、窒素酸化物や金属酸化物を電子受容体とする嫌気的メタン酸化古細菌の存在が明らかになった。本研究では、本菌がどのような特徴を持つ水田に多く存在するのか、水田土壌のどの深さでいつ活性が高いのか、本菌による嫌気的メタン酸化量はどの程度かを土壌分類学、分子生物学および同位体解析手法を組み合わせて調査する。
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研究実績の概要 |
嫌気的メタン酸化量を定量するため、土壌培養試験を実施した。たん水状態とした水田土壌と窒素ガスを封入したガラスバイヤルをあらかじめ一ヶ月程度培養して嫌気状態としてから、13C-メタンと電子受容体を添加してさらに3週間培養し、メタンガスとCO2増加量および13C-CO2生成量を比較した。無添加区に対して酸素を含む5種類の電子受容体添加区でメタン生成量は有意に減少、あるいは有意差はないものの減少傾向を示した。13C-CO2の生成は、無添加区を含む全ての試験区で確認され、水田土壌で嫌気的メタン酸化の生じていることが確認された。しかし、無添加区と電子受容体添加区の有意差は酸素添加区以外では検出されず、培養方法も含めてさらなる検討が必要と考えられた。 昨年度作出した、Candidatus Methanoperedens属のメタン酸化遺伝子特異プライマーを用いて、複数の水田土壌由来DNAを鋳型として、次世代シークエンサーを用いた同遺伝子の多様性解析を行った。本遺伝子はメタン生成遺伝子と非常に近縁であるが、作出したプライマーでメタン酸化遺伝子のみを得意的に検出できることが確認された。また異なる水田間では、C. Methanoperedens属内の優占グループの異なることが明らかとなり、属内に異なる特性を持つグループの存在することが示唆された。今後、収集を進めてきた水田土壌を用いて、土壌の種類や土壌環境と関連づけた解析を行うことで、C. Methanoperedens属および属内グループの特性解明が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
同位体ラベル添加土壌培養試験法の検討が必要とされるため
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今後の研究の推進方策 |
収集土壌の物理化学性を分析するとともに、DNAを抽出し、開発した嫌気的メタン酸化遺伝子特異プライマーを用いて定量PCRを行い、土壌の種類や深さ別にC. Methanoperedence属菌の密度を算出する。 これまでに実施した土壌培養法とは異なる培養法の条件検討を行った上で、同位体ラベルメタン添加法と組み合わせ、土壌ごとの嫌気的メタン酸化速度を算出する。
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