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ニワトリ胚の生命維持活動システムは組織や器官の長期保存技術の開発に応用できるのか

研究課題

研究課題/領域番号 22K05961
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42010:動物生産科学関連
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

中尾 暢宏  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (60377794)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードニワトリ胚 / 胚発生 / 発生 / 分化 / ニワトリ / 胚
研究開始時の研究の概要

申請者はニワトリ胚が発生を停止、再開できる長期保存機構を備えていることに着目し、網羅的遺伝子発現解析および機能解析よりニワトリ胚の発生の再開を制御する分子を抽出した。一方で発生の停止下において組織、臓器の機能を維持するメカニズムが存在しているという疑問が生じた。本研究では、発生の停止制御機構の解明と、その機構を組織や臓器の長期保存技術に応用することを視野に入れて、in vitroで組織および臓器機能を維持できるかを明らかにする。発生停止中のニワトリ胚の生命維持活動システムが明らかになれば、発生生物学のみならず将来必要とされるiPS細胞由来組織や臓器の保存技術に応用できる可能性がある。

研究実績の概要

申請者は、臓器が形成されているニワトリ胚において発生の停止と再開できるメカニズムが存在し、発生を自由に制御できること、さらにこの発生制御の仕組みについて網羅的遺伝子発現解析および機能解析よりGene Aが発生の再開を制御する因子であることを明らかにした。しかし、発生の停止に関わる因子の同定は不明である。ニワトリ胚の発生過程は哺乳類に類似し分子レベルでは本質的に脊椎動物と同じ基本過程が生じている事から、発生停止中のニワトリ胚の生命活動のメカニズムが明らかになれば、発生生物学のみならず将来必要とされるiPS細胞由来組織や臓器の保存技術に応用できる可能性がある。そこで、本研究では、ニワトリ胚の発生停止下で発生や細胞、臓器の機能を維持する因子の同定とその因子が発生の制御のみならず、組織や臓器の維持に応用できるのかを明らかにすることを目的とし、ニワトリ胚の発生の停止下において発現増加する遺伝子に着目し本年度は、Ⅰ. 発生停止(遅延)下で増加する遺伝子の検索、Ⅱ. 発生停止(遅延)下で増加するタンパク質の発現部位の同定について検討を行った。その結果、I. により発生停止中に増加する遺伝子の経時的な発現解析を行ったところ、新たに4つの遺伝子が発生停止中に発現増加している可能性が示唆された。Ⅱ. においては、まずニワトリ胚全体でタンパク質の発現様式が観察できるかLightSheet 顕微鏡を用いて行ったところ、観察するための透明化の条件設定、および胚全体の染色に成功し胚の内部のタンパク質を検出することができた。来年度に確立した胚内部までの検出系を用いてⅡ.で明らかになった遺伝子について検討をおこない、実験計画Ⅲ.発生停止に関与する遺伝子の機能解析を遂行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たに4つの候補因子の存在の可能性が示唆され、その遺伝子の解析に時間を要した。実験計画Ⅱについて条件検討が完了したところで使用機器自体の不良交換のため、機器が使用できない期間が生じた。そのため実験計画Ⅱの解析が遅れ計画的に遂行できなかった。実験計画Ⅲ.発生停止に関与する遺伝子の機能解析に必要なin ovo 遺伝子発現用のツールとして、標的遺伝子と同細胞にGFPを発現するレンチウイルの作製に着手し高タイターで培養細胞に感染力のあるウイルスを作製できる系を確立した。このウイルス系とLightSheet 顕微鏡を用いて、GFPを指標に胚全体に標的の遺伝子が導入されているか観察検討のできる環境を構築した。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、令和5年度に引き続き実験計画Ⅱを実施し終了させる。さらに、引き続きニワトリ胚へのウイルス遺伝子導入法を用いて、令和5年度の実施計画 Ⅲ.発生停止に関与する遺伝子の機能解析を遂行し、同時並行でⅣ. 発生停止下において組織、臓器の機能を維持できるのかについて、発生停止下で組織、臓器の維持ができるか検討を行い、研究成果をまとめる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Central injection of neuropeptide B induces luteinizing hormone release in male and female rats2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Youki、Iwata Kinuyo、Minabe Shiori、Nakao Nobuhiro、Ishii Hirotaka、Ozawa Hitoshi
    • 雑誌名

      Peptides

      巻: 168 ページ: 171064-171064

    • DOI

      10.1016/j.peptides.2023.171064

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pharmacokinetics and tissue distribution of orally administrated imidazole dipeptides in carnosine synthase gene knockout mice2022

    • 著者名/発表者名
      Sakano Taiken、Egusa Ai Saiga、Kawauchi Yoko、Wu Jiawei、Nishimura Toshihide、Nakao Nobuhiro、Kuramoto Ayumu、Kawashima Takumi、Shiotani Shigenobu、Okada Yukio、Sato Kenichiro、Yanai Nobuya
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 86 ページ: 1276-1285

    • DOI

      10.1093/bbb/zbac081

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 発生を制御されたニワトリ胚の発生再開には Heat Shock Protein 90が関与する2023

    • 著者名/発表者名
      中尾暢宏、岩﨑真由、渡辺雄貴
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会(名古屋)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 短日不応ウズラの生殖機能維持に精巣の退行不全が関与する2023

    • 著者名/発表者名
      中尾暢宏、 服部愛、 渡辺雄貴
    • 学会等名
      第47回日本比較内分泌学会大会(福岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 短日不応ニホンウズラが短日条件下でも生殖機能を維持する精巣内制御メカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      服部愛、渡辺雄貴、中尾暢宏
    • 学会等名
      第46回鳥類内分泌研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 短日不応ニホンウズラの視床下部内側基底部における光周性制御遺伝子発現に日長が与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      服部愛、隅田伊織、對馬宣道、渡辺雄貴、中尾暢宏
    • 学会等名
      第130回日本畜産学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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