研究課題/領域番号 |
22K05995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮平 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825216)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 僧帽閉鎖不全症 / 負荷心エコー / 心筋ストレイン / 心エコー図検査 / 犬 / モデル / ドブタミン負荷 / 循環器 / 僧帽弁閉鎖不全症 |
研究開始時の研究の概要 |
僧帽弁閉鎖不全症のイヌにおいて、潜在的な収縮機能低下は病態悪化に大きくかかわることが予想される。負荷心エコー図検査は負荷に対する応答性を評価する近年注目されている方法であり、申請者らはドブタミンによる薬物負荷心エコーが獣医療に役立つ可能性を報告している。本研究では、僧帽弁閉鎖不全症のイヌにおける潜在的な心筋予備能を評価するために、ドブタミン負荷心エコー図検査を実施し、とくに詳細な心筋機能を反映する心筋ストレイン指標に注目して解析する。本研究の成果によって、負荷心エコーで評価する心筋予備能という新たな側面から、僧帽弁閉鎖不全症の病態層別化、進行リスクの予測、生命予後推定が実現できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
本研究では、臨床現場で多く遭遇する僧帽弁閉鎖不全症およびそれに続発することの多い肺高血圧症病態をターゲットとして、とくに臨床的に把握が困難とされる詳細な心筋機能指標による病態の層別化に取り組んだ。モデル作製による血行動態評価との関連性の検討を基礎データとして、臨床症例における詳細な解析による検討にも取り組み、とくに心筋ストレイン指標において、心機能指標のゴールドスタンダードである心臓カテーテル指標との関係性を解明し、臨床的有用性を学術集会で学会発表し、国際的学術誌で論文として公表した。 また上記研究過程で得られた知見から派生した臨床的病態評価指標を確立し、僧帽弁閉鎖不全症、肺高血圧症に加え、猫の心筋症の病態にも活用し、学会発表および論文公表した。 負荷心エコー指標については、ドブタミンによる薬物負荷のみならず、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物投与の前後での評価を負荷心エコー指標として活用することを追加で実施し、現在データを解析中である。この追加した検討の結果がより有用であれば、臨床症例でドブタミン投与による薬物負荷ではなく、より生理的で、安全性の高い、かつ臨床現場で応用しやすい負荷心エコー指標が確立できると考えている。最終年度は、上記で確立した心筋機能指標やそこから派生した臨床的病態評価指標を臨床症例に応用することで、臨床的有用性のさらなる確立、および進行予測や生命予後の推定指標としての有用性を確立していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までのところ、研究計画①僧帽弁閉鎖不全症の病態モデル犬における、観血的心機能指標と新規心エコー指標の相同性の検証、②僧帽弁閉鎖不全症の病態モデル犬における、ドブタミン負荷心エコーの安全性の評価が達成され、主要な解析結果の成果公表まで実施できている。 とくに、モデル作製過程において複数の新規心エコー指標の有用性を確立し、学会発表および論文発表を実施した。また僧帽弁閉鎖不全症で併発することの多い肺高血圧症病態について、本研究で確立した心エコー指標を活用した病態および重症度評価を実証し、学会発表および論文発表を実施した。また臨床症例においては、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物投与前後での評価を実施し、進行予測因子および生命予後因子としての有用性が期待される結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では、③として臨床症例におけるドブタミン負荷心エコー指標の有用性を検討する予定である。一方で、これまでの研究において、ドブタミンによる薬物負荷のみならず、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物の投与前後での評価を活用することも有用な負荷心エコー指標の取得ができる結果が得られている。したがって、この追加した検討の結果がより有用であれば、臨床症例でドブタミン投与による薬物負荷ではなく、生理的な負荷や治療目的で投与する薬物を利用した負荷心エコー指標の有用性を検討する。これらの研究により、より生理的で、安全性の高い、かつ臨床現場で応用しや すい負荷心エコー指標が確立できると考えている。
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