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PCV2およびPRRSウイルスの鼻咽腔関連リンパ組織における増殖と病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06003
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42020:獣医学関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

平井 卓哉  宮崎大学, 農学部, 教授 (60321668)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード豚 / PRRS / PCV2 / NALT / 病態解析 / 病理
研究開始時の研究の概要

子豚の呼吸器複合感染症は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)、豚サーコウイルス2型(PCV2)などの他、各種細菌の複合感染による疾病であり、その制御は養豚業界の重要な課題である。近年、ヒトとマウスでは鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)が感染防御に重要な役割を担っていることが解明された。本研究では、肺炎例のNALTにおけるPCV2の増殖を調べることにより、鼻咽腔病変と肺病変の関連性を明らかにする。また、NALTにおけるPRRSVとの複合感染についても調査する。

研究実績の概要

豚サーコウイルス2型(PCV2)は、かつて多くの農場で豚サーコウイルス関連疾病や、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)との複合感染による豚呼吸器複合病を引き起こし、養豚業界に深刻な打撃を与えた。豚サーコウイルス関連疾病の診断基準として、臨床症状、遺伝子検出、病理学的診断が挙げられる。PCV2ワクチンの普及により本疾病は減少したものの、不顕性感染は継続してみられ、PCV2感染が増体や呼吸器病に影響を及ぼすことが疑われている。鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)は上部気道における生体防御に重要であり、同時にマクロファージを標的とするPCV2およびPRRSVの増殖部位となる。本年度では、不顕性感染豚のNALTにおける病理組織学的検査およびin situ hybridization (ISH)法によるPCV2およびPRRSVの検出により、豚呼吸器複合病の発生機序について考察した。
宮崎県内の農場から、発育不良や呼吸器症状を呈した100~108日齢の肥育豚を6頭剖検に供した。鼻咽頭ぬぐい液、NALTや肺など各種臓器を採材し、リアルタイムPCR検査、組織学的検査および ISH法を実施した。
NALTにおけるリアルタイムPCRにて全症例でPCV2およびPRRSVの感染が確認された。組織学的検査では、NALT粘膜上皮の変性、好中球浸潤、濾胞内のリンパ球減少やマクロファージ増生がみられた。ISH法では全症例でPCV2がリンパ濾胞内に、4症例でPRRSVが陰窩周囲に陽性シグナルが検出された。ISH法を用いた二重染色では、2症例において両ウイルスの陽性シグナルが、一部の領域では各シグナルが同一の細胞に近接して観察された。肺で両ウイルスの感染と重度の肺炎が認められた。
本研究では不顕性感染豚のNALTにおけるPCV2およびPRRSVの増殖により鼻咽頭炎、さらに豚呼吸器複合病に進展する可能性を示した。リンパ組織に特徴病変がみられず、豚サーコウイルス関連疾病と診断できない場合においても、PCV2感染の影響を軽視できないことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度ではPCV2不顕性感染豚のNALTにおいてISH法によりPCV2およびPRRSVの同時検出に成功した。PCV2不顕性感染豚にPRRSウイルスが感染することで豚呼吸器複合病に進展する可能性を示す研究内容であり、当初計画通りに進展している。

今後の研究の推進方策

順調に進捗しているので、今後も計画通りに研究を進める。
2024年度にはPRRSウイルスのレセプター分子として報告されているCD163陽性マクロファージのNALTにおける分布とウイルス陽性細胞の分布を解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Histopathological findings of the nasopharynx-associated lymphoid tissue of pigs co-infected with porcine circovirus 2 and porcine reproductive and respiratory syndrome virus2022

    • 著者名/発表者名
      TOYAMA Keiko、HIRAI Takuya、SUEYOSHI Masuo、ZHOU Ziheng、NIAZI Ahmad Massoud、KAWAGUCHI Nijiho、FUKE Naoyuki、YAMAGUCHI Ryouji
    • 雑誌名

      The Journal of Veterinary Medical Science

      巻: 84 号: 11 ページ: 1536-1542

    • DOI

      10.1292/jvms.22-0231

    • ISSN
      0916-7250, 1347-7439
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] PCV2不顕性感染豚の鼻咽頭関連リンパ組織におけるISH法によるPCV2およびPRRSVの検出2024

    • 著者名/発表者名
      齋藤江連、山下鉄平、坂本英午、福家直幸、平井卓哉
    • 学会等名
      第11回日本獣医病理学専門家協会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 遺伝的に異なる2つのPRRSV変異株に重複感染した豚の病理学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      山下鉄平、中井睦、高田蓮栞、齋藤江連、坂本英午、福家直幸、平井卓哉
    • 学会等名
      第166回日本獣医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 豚サーコウイルス2型および豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス感染豚における口蓋扁桃病変と鼻咽頭病変の比較2022

    • 著者名/発表者名
      山岸明日香、Niazi Ahmad Massoud、平井卓哉
    • 学会等名
      第165回日本獣医学術集会病理学分科会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 豚サーコウイルス2型および豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス感染豚の鼻咽頭関連リンパ組織における病理学的解析と病原性細菌の検出2022

    • 著者名/発表者名
      山岸明日香、上久保正一、平井卓哉
    • 学会等名
      令和4年度獣医学術九州地区産業動物獣医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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