研究課題/領域番号 |
22K06008
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山岸 則夫 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (30281877)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | アジアゾウ / 動物園飼育下 / 血清化学検査 / アガロース電気泳動 / アルカリフォスファターゼ / クレアチニンキナーゼ / 乳酸脱水素酵素 / 血清タンパク / 血液化学検査 / 医療用キット / 獣医学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本国内での医療用AGEキットによる臨床化学検査の汎用性に着目し、飼育アジアゾウのための新しい臨床化学検査法の確立を目指すものである。国内では医療用AGEキットとして、ALPの他、総タンパク(TP)、乳酸脱水素酵素(LDH)、クレアチンキナーゼ(CK)解析用が市販されており、複数の併用で栄養や免疫(TP)あるいは骨、肝臓、腎臓、筋肉等(ALP、LDHおよびCK)の状態を詳しく評価できる。本研究では、3年間の研究期間で、アジアゾウ血清の凍結保存がAGE解析成績に及ぼす影響、種々のライフステージならびに健康状態による各測定項目の分画・アイソザイムの特徴を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
動物園は生息域外保全の場所として希少動物の保全活動を推進する責務がある。保全活動の一つとして動物の健康管理があり、この健康管理データは国内外の動物園施設と共有される。今年度は、動物園飼育下アジアゾウの血清を用いて、以下の通り、市販アガロースゲル電気泳動 (AGE)キットによる解析を行なった。 1)9頭の血清を用いてクレアチンキナーゼ (CK)および乳酸デヒドロゲナーゼ (LDH)アイソザイムを評価した。CKは、マクロ酵素CKタイプ2 (mCK2)の小画分とCK-BB とCK-MMの2つの主要画分に分離された。CK-MMが最大画分であった。LDHは 5画分 (LDH1~5)に分離され、LDH3が最大画分でしあった。年齢は、CK-BBおよびCK-MM割合とそれぞれ負および正の相関があり、CK-BBおよびmCK2活性と負の相関があった。 2)アジアゾウの子ゾウ2頭の離乳前後4ヵ月における骨芽細胞マーカー[骨型アルカリホスファターゼ・アイソザイム(ALP3)]および破骨細胞マーカー[酒石酸耐性酸ホスファターゼ 5b(TRAP5b)]の活性値を測定した。両測定値は離乳後に有意に減少し、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収が離乳後に低下することが示唆された。アジアゾウの母乳は成長期の骨代謝に重要な役割を持つと考えられる。 以上の結果は、AGE キットによるCK、LDHおよびALPアイソザイムの評価は、アジアゾウの健康変化や病気の早期発見に利用可能なことを示すものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、各測定項目のアガロース電気泳動像の解析、凍結保存による影響、ライフステージによる影響に関する実験を進行中である。したがって、進捗状況は、「おおむね順調に進展とした
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、各測定項目のアガロース電気泳動像の解析、凍結保存による影響、ライフステージによる影響に関する実験を推進する予定である。
|