研究課題/領域番号 |
22K06010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
田島 一樹 北里大学, 獣医学部, 講師 (50770393)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脱細胞化 / 角膜移植 / 人工角膜 / 獣医 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
北里大学付属動物病院では多くの動物の眼科症例を抱え、角膜疾患は非常に多いです。しかし、イヌやネコにおける角膜疾患は、ヒトでは角膜移植によって乗り切ることができる疾患でも、角膜移植ができずに最悪の場合眼球摘出術が適用される場合もあります。動物において角膜のドナーを確保することは難しく、アイバンク等のインフラ整備も難しい現状があります。そこでこの研究では、再生医療技術である、脱細胞化という手法を応用し、人工角膜を作成することを試みます。人工角膜の透明性維持が現状大きな課題であり、その原因や評価系を樹立することで、透明性を維持した動物用の人工角膜を作成することがこの研究の目的です。
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研究実績の概要 |
深部角膜潰瘍の治療や瘢痕化した角膜を透明にするための治療法は角膜移植のみである。しかし、犬や猫をターゲットとした獣医療においてはドナーがおらず、移植用角膜の入手は大変困難である。そのため、ドナー不足を解消するために、脱細胞化という技術を用いて人工角膜を作成することを目的に研究を継続している。 犬の角膜を入手する機会は稀であり、運良く入手できた際には細胞の分離・培養を適宜行い、in vitroの実験を実施している。現時点で犬の角膜上皮細胞や角膜内皮細胞といった細胞の培養をした報告はほとんどないが、研究代表者が確立した方法で安定的に培養可能であることが確認できている。また、細胞の免疫染色や遺伝子発現解析を行い、培養した細胞がそれぞれ目的の細胞であることを確認済みである。現在、角膜内皮細胞を実験に供しやすいよう不死化を行い、実験に用いている。本細胞の細胞形態、遺伝子学的特徴、免疫染色による解析によって性質を細かく確認し、今後の実験に供する予定である。 また、ウサギを用いた脱細胞か角膜の移植の実験を行い、その生着や透明性の評価を確認している。ウサギへの角膜移植は、ウサギの長時間の麻酔に加え、手術手技が困難であるが、確実に症例数を増加させることができている。 今後、得られたサンプルの組織解析を行う。HE染色や免疫染色によって、角膜混濁の原因や生着の要因、角膜実質細胞の移植片への遊走などを確認し、そのデータから、脱細胞化角膜の保存方法を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脱細胞化角膜をウサギに移植を行い、生体の透明性評価を行うことが可能となっているが、まだ免疫染色等による評価ができていない。一方でセルラインの確立によってin vitorの実験は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
これからウサギへの移植後の組織解析を行い、角膜混濁を生じるメカニズムを探る。また、さらにそのメカニズムに合わせた移植後の透明性維持に向けた治療等を検討する。 また、脱細胞化角膜の保存方法を検討していく予定である。
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