研究課題/領域番号 |
22K06030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
小川 和重 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (60231221)
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研究分担者 |
谷田 任司 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (30589453)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 子宮マクロファージ / 子宮内膜間質細胞 / 精巣間質マクロファージ / Leydig細胞 / ステロイド合成 / プロゲステロン / SRD5A1 / 培養増殖法 / 組織在住マクロファージ / 性ステロイド / ニッチ / 生殖器官 |
研究開始時の研究の概要 |
組織在住マクロファージ(Mφ)の器官特性は定着器官の微小環境(ニッチ)に依存すると考えられている。近年,Mφニッチの研究が活発に行なわれているが,生殖器官では進んでいない。代表者は汎用性の高い「ニッチ形成細胞との混合培養によるMφの増殖法」を開発した。両細胞を同時に増殖させる方法で,Mφの器官特性の維持が見込まれる。この方法で精巣から増殖させたMφは性ステロイド合成酵素を発現していることを見出した。この発見から「性ステロイド産生細胞がニッチとして機能するMφは性ステロイド合成能を有する」と仮説を立て,Mφによる不妊治療法開発を視野に入れ,仮説を検証する研究を行なう。
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研究実績の概要 |
子宮線維芽様細胞との混合培養で子宮マクロファージ(Mφ)の増殖に成功した。このMφは貪食性が高く,CD206とarginase 1陽性,iNOSとMHC II陰性で,M2型に分極したex vivo子宮Mφの性状と一致した。線維芽様細胞はCSF1を発現する点からMφニッチの性状を備え,性ステロイド合成分子と受容体を発現し,子宮内膜間質細胞の性状と一致した。子宮Mφも性ステロイド合成分子(StAR,HSD3B6,HSD17B1,SRD5A1)と性ステロイド受容体(PGR,AR,ER1)を発現し,ステロイド代謝能を持つ特性が判明した。性ステロイドは子宮内膜の再生,着床・妊娠の維持に不可欠な点から,子宮Mφに関する新たな研究を展開できる。 代表者らの研究で,精巣間質細胞の混合培養で線維芽様細胞とMφが増殖し,線維芽様細胞は培養Leydig細胞の性状と一致すること,Mφは精巣間質Mφの性状と一致し,プロゲステロン(P4)合成能を持つことが解明されている。「Mφニッチの概念」を基に,「ニッチとして働くLeydig細胞がP4合成能を精巣間質Mφに付与する」と考え,精巣線維芽様細胞が他のMφにP4合成能を付与できるか検討した。精巣線維芽様細胞との混合培養で脾臓MφはP4合成能を獲得した点から,ニッチ依存的にMφの性状を変えられることが証明できた。精巣間質MφはARを発現する点を踏まえ,M1誘導剤,M2誘導剤,テストステロン(T)添加がP4産生に及ぼす影響を検討した。その結果,M1誘導剤はP4産生量を有意に減少させ,M2誘導剤とTはP4産生量を有意に増加させた。Leydig細胞はP4受容体を発現し,P4シグナルはT 産生を減少させる報告から,Leydig細胞のT産生において精巣間質MφのP4産生を介するローカルフィードバック機構の存在が示唆された。
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