研究課題/領域番号 |
22K06034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
松田 彬 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90613969)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グルココルチコイド / 細胞接着 / 肥満細胞 / 薬剤耐性 / イヌ |
研究開始時の研究の概要 |
グルココルチコイドは古くから頻用されている薬剤であるが、重大な副作用のリスクを有するため、臨床現場では「グルココルチコイド感受性増強法」の開発が望まれている。 肥満細胞はアレルギー疾患において中心的な役割を担う免疫担当細胞であり、病変組織に遊走・集積・増殖する。申請者は独自の予備実験において、肥満細胞の接着状態により、グルココルチコイド感受性が変化するという興味深い現象を確認した。 本研究の目的は、肥満細胞において細胞接着によりグルココルチコイド感受性が制御される分子メカニズムを解明することにある。
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研究実績の概要 |
グルココルチコイドは古くから頻用されている薬剤であるが、重大な副作用のリスクを有するため、臨床現場では「グルココルチコイド感受性増強法」の開発が望まれている。肥満細胞はアレルギー疾患において中心的な役割を担う免疫担当細胞であり、病変組織に遊走・集積・増殖することは周知である。本研究は、肥満細胞において細胞接着によりグルココルチコイド感受性が制御されるかどうかを検証し、制御されるのであればその分子メカニズムを解明することを目的とする。 前年度はイヌ以外の動物由来肥満細胞株で接着性に依存するグルココルチコイド感受性の変化が認められなったが、実験条件を変更して再検証したところラットおよびマウス由来の肥満細胞においても接着時のほうが非接着時よりもグルココルチコイド感受性が高くなることが明らかになった。一方、ヒト由来肥満細胞株では本年度もそのような現象は認められなかった。 グルココルチコイド感受性が変化するメカニズムを検証するためグルココルチコイド受容体シグナル誘導性遺伝子の発現を接着時と非接着時において比較したところ、有意な差は認められなかった。これはグルココルチコイド感受性がグルココルチコイド受容体による遺伝子調節よりも下流で変化していることを示している。またいくつかのアポトーシス促進因子が接着細胞で発現量が増加していることも確認できた。今後はこれらの因子について詳細な検討を行い、感受性変化のメカニズムを探索していく予定である。 どの接着因子が関与しているかについては、インテグリンに着目して検証を行った。具体的には、接着細胞で過剰発現していたインテグリンβに対するアゴニストを添加することによって感受性変化が起こるかどうかを検証したが、感受性の変化は認められなかった。今後は濃度や培養時間を変更して再検証するとともに、他の接着因子についても検証してく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イヌ以外の動物由来肥満細胞における接着性が関連するグルココルチコイド感受性調節機構の存在が確認できた。またそのメカニズムについても一定の知見が得られてきた。 一方、どの接着因子が直接的に関与しているかは明らかにできていないが、これについては候補因子が多いことから時間がかかること自体は想定の範囲内である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、主に接着分子の機能阻害によるグルココルチコイド感受性の変化について検証を進める。 また特定した接着分子について、さまざまな動物由来の肥満細胞株でも同様に機能阻害を行い、グルココルチコイド感受性が変化するかどうかを確認する。
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