研究課題
基盤研究(C)
真核生物のゲノムには数十万もの内在性レトロウイルス(endogenous retrovirus, ERV)が含まれる。ほとんどのERVは不活化されているが、ERVの中には他のレトロウイルスに対する感染防御因子として機能するものが存在する。ERV研究は近年盛んに行われているが、現存のERVを解析する、いわば「点」の解析が主流である。しかし、ERVの進化学的意義を理解するためには従来の研究方法では不十分であり、時系列に沿った「線」の解析が必要である。本研究ではERV由来因子の役割を明確にするとともに、ERV祖先配列を実験的に進化させ、感染防御因子としての機能を獲得するまでの進化過程を再現する。