研究課題/領域番号 |
22K06044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
林田 直樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40420517)
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研究分担者 |
角田 茂 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80345032)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 熱ショック転写因子 / 温熱ストレス / 変異型マウス / 系統化成功 / ゲノム編集 / HSF1 / 熱耐性 / 動物 / 個体の生存 / 温度ストレス / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
「動物個体が体温以上の高温あるいは氷点下付近の低温下において生命を維持するために、HSF1の機能がどれだけ重要であるか」を示し、そのメカニズムを解明する。「HSF1は転写因子である」という原点に立ち返り、そのDNA結合能だけを失わせたノックインマウスを作製する。一方、4℃の低温ストレス下におけるHSF1の役割を解明するために、恒常的に活性化したHSF1 (caHSF1) ノックインマウスも作製する。caHSF1は4℃を含むいかなる温度下でもターゲット遺伝子を高発現することが予想される。この2種類のマウスを用いた研究により、氷点下付近から高温体温を超える広い温度範囲でのHSF1の役割を解明する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、本研究課題の中心となる、新規の変異型熱ショック転写因子1(HSF1)のノックインマウスの作製に1年間を費やした。具体的に作製を開始したのは、熱耐性が強くなることが予想される活性型 HSF1 ノックインマウス (caHSF1-KI) と、熱耐性が弱くなると考えられる DNA 結合能欠損 HSF1 ノックインマウス (R71G-KI) の2種類である。いずれも、ゲノム編集の手法を用いて行った。 caHSF1-KI については、活性型にするために除去しようとした配列が若干異なってしまったものの、1匹変異を有するマウスを得ることが出来た。除去を狙った配列はΔ221-315であったが、この1匹は5アミノ酸が残ってしまうΔ226-315の変異を有するマウスであったものの、この5アミノ酸が残っていても活性型になると予想し、このマウスの系統化を目指して交配を行ったところ、この変異を受け継ぐ次世代のマウスを得ることに成功した。この変異マウスが多数得られたため、全臓器の採取を数匹から行い、これからタンパク質およびRNAを回収して、HSF1の主なターゲット分子であるHSP70や同じHSFであるHSF2の発現の解析を行うと共に、目的である caHSF1-KI を得るため、得られたマウスを用いて、L395E変異を入れるゲノム編集を行っている。 R71G-KI についても、ゲノム編集を行った産仔が得られており、現在、正しい変異が入っているかを確認中である。決して早くマウス作製が進んでいるとは言えないが、着実に進んでいるのは間違いなく、想定の範囲内で順調な結果が得られたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の目標は、ゲノム編集を用いた新規変異型HSF1ノックインマウスの作製であったが、途中上手く行かない段階があったものの、これらはこの種類の実験では必ずと言って良いほど起こる類いのものであり、全体として、想定外のことは起こらず、順調に実験(マウス作製)が進んでおり、安心している。
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今後の研究の推進方策 |
目的の2種類のマウスの完成が、2023年度の目標である。今年度前半にも2種類出来る可能性があるので、実際に完成した場合には、全臓器を回収してHSP70、HSF2等の発現確認を行いつつ、caHSF1-KI と R71G-KI を3匹ずつ用いて、まず37度でどれだけ生存するかのプレ実験を行いたい。一方で、現在作製が進んでいるマウスの背景はICRなので、世界でもっと使われているC57BL/6へのバッククロスを行い、背景の異なるこれらの変異型マウスを作製し、同様の実験を行いたい。37度以外では42度や35度などの温度の実験を考えており、2種類のマウスに加え野生型マウスも入れて、温熱ストレス下での生存データを得られた時点で、論文の作成と、特許申請の準備に入ろうと考えている。
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