研究課題/領域番号 |
22K06050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
安井 良僚 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10595325)
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研究分担者 |
吉崎 尚良 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00443490)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 腸管神経細胞 / 腸管間葉系細胞 / Retシグナル / 腸管神経堤細胞 / 腸管神経系 / RETシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
Retは受容体型チロシンキナーゼで、脊椎動物の神経細胞の運動、生存、分化の制御において重要な役割を果たす。本課題で、RETと共受容体のGFRαファミリーとリガンドの変化がRetシグナルと腸管神経発生にどのような影響を与えるのか、そのシグナルの変化と生理的意義を明らかにする。Retとその共受容体の組み合わせ変化、またcisシグナル、transシグナルの違い、transシグナルを提供する細胞との細胞間シグナルに焦点を当て、入力されるシグナルに変化が実際腸管神経の分化、増殖にどのような影響を持つか細胞生物学的に調べ、共受容体の組み合わせ変化と細胞間シグナル伝達の生理的意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
RetはGDNFファミリーをリガンドに、GFRファミリーを共受容体にもつ受容体型チロシンキナーゼで、神経の運動、増殖、分化に影響を持つ。中でも腸管神経系への影響は大きく、腸管神経節欠損症であるヒルシュスプルング病の原因遺伝子として知られる。我々は本課題で腸管神経発生の特定のステージで、リガンドと共受容体に変化があることを示し、その生理的意義を明らかにする。我々は定量PCRを使いRetのリガンドGDNFとNRTN、共受容体のGFRA1とGFRA2の発現をマウス腸管のE10.5からE15.5にかけて定量した。その結果E13.5を境にGDNF-GFRA1からNRTN-GFRA2へRetシグナルがスイッチしていることが明らかになった。さらにその局在を調べたところ、E11.5-12.5にかけてRetは神経細胞に発現しているもののGFRA1は周辺の間質細胞に多く発現していること、E15.5では神経細胞特異的な発現に変化していることが分かった。さらにこのスイッチングは、細胞密度依存的にGDNFとNRTN、EDN3のバランスが調節していることを明らかにした。Retの共受容体GFRA1がRetの発現していない間質細胞で発現している意義を明らかにするために腸管神経前駆細胞とGFRA1発現および未発現のNIH3T3細胞を用意し、共培養系における腸管神経前駆細胞の遊走能を調べた。その結果GFRA1発現NIH3T3細胞との共培養系で腸管神経前駆細胞の遊走能が亢進することが分かった。Ret下流のシグナルを調べたところ、GFRA1発現NIH3T3細胞との共培養系ではRETたんぱく質の安定性、ERKリン酸化の持続時間が亢進していた。以上の結果から、trans-RETシグナルはGDNFによるRETの分解を抑制しそのシグナルを増強することで神経前駆細胞の遊走能を亢進させていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通りに実験成果が出ており、論文投稿もできている。
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今後の研究の推進方策 |
論文の投稿段階まで来ており、次年度はリバイス実験を含む追加実験を行っていく予定である。
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