研究課題/領域番号 |
22K06058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
高浪 景子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (70578830)
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研究分担者 |
小出 剛 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (20221955)
長谷川 功紀 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (50525798)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 系統差 / 知覚感受性 / 痒覚 / 神経伝達路 / ガストリン放出ペプチド受容体 / neuromedin C / 脳幹 / 三叉神経知覚系 / マウス系統差 / 個体差 / ストレス / 遺伝子多型 / 痒みの感受性 / ゲノム編集 / SNP解析 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの知覚(痒み、痛み、触覚など)の感受性には大きな個体差が存在し、遺伝・免疫・自律神経などのさまざまな原因が考えられている。痒み感覚に関しては、近年、様々な痒み伝達分子や痒みの伝達経路が明らかとなってきたが、痒みの感受性の個体差を生む原因は不明な点が多い。この知覚の個体差の原因を明らかにするために、多系統のマウスを用い、痒みの感受性の系統差から、痒みの伝達に関わる分子およびその遺伝子多型を明らかにする。ここから、ヒトにおける痒み感受性の個体差や慢性掻痒疾患の原因の理解に繋げることを目的とする。
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研究実績の概要 |
ヒトの皮膚の知覚(触覚、痛覚、痒覚、温冷覚)の感受性には大きな個人差が存在し、遺伝・免疫・自律神経・精神面との関連などのさまざまな要因が考えられている。実験動物においても、これまで知覚感受性の種差や系統差が存在することが報告されてきたが、知覚の感受性の原因について不明な点が多い。知覚の中でも痒覚に関して、近年、様々な伝達分子や神経基盤が明らかとなってきたが、痒みの感受性の個体差を生む原因は不明である。本研究では、知覚の中でも特に痒覚に着目し、痒覚感受性の個体差の原因を明らかにするために、実験動物における系統差を利用し、痒みの感受性の系統差から、痒みの伝達に関わる分子およびその遺伝子多型を明らかにして、ヒトにおける痒み感受性の個人差の原因の理解に繋げることを目的とする。特に従来実験に用いられている実験系統マウスとユニークな特徴を保持する野生由来系統マウスの比較解析を実施する。 痒覚の感受性の系統差を明らかにするためにも、痒覚の伝導路の解明が必要である。そのため、今年度は顔面口腔領域の知覚の伝達に関わる脳幹の三叉神経知覚系に着目して解析を行った。そして、マウスの結膜炎モデルを採用し、起痒物質投与により、脳幹のうち三叉神経脊髄路核尾側亜核から頸髄を中心として後角領域に神経活性がみられるとともに、痒み伝達分子ガストリン放出ペプチド受容体発現細胞での神経活性の増加が組織学解析から明らかとなった。また、毒素投与により脳幹領域のガストリン放出ペプチド受容体発現細胞の消失を誘導すると、一部の目の痒み行動が抑制された。また、ガストリン放出ペプチド受容体のリガンドの一種であるneuromedin Cを脳幹領域に投与すると、顔に痒みがないにも関わらず、顔面領域に強い痒み行動が誘発され、マウスの顔面領域の痒覚の伝達に脳幹のガストリン放出ペプチド受容体発現細胞が重要な役割を担うことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は顔面領域の知覚の伝達を担う三叉神経知覚系における痒覚の伝達に脳幹のガストリン放出ペプチド受容体発現細胞が重要であることをマウスモデルを用いて論文にまとめ、報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの痒覚感受性の系統差の行動薬理学解析の詳細をまとめ、また、痒覚のみでなく触覚や痛覚感受性の系統差についても引き続き解析を実施する。また痒覚感受性の系統差に、既知の痒み伝達に関わる分子が関与するか、分子発現解析を実施し、発現に系統差が見られた場合、遺伝子多型解析を実施する。
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