研究課題/領域番号 |
22K06073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
浅賀 正充 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 研究員 (60572865)
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研究分担者 |
神谷 亘 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60551421)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / リバースジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
SARS-CoV-2による感染者や重傷者は続出することが予想され、引き続き新規治療薬の開発は喫緊の課題となっている。しかし、(1)国内外において動物実験が可能なABSL3実験施設に限られている、(2)動物モデルでの新規治療薬の効果検討には時間がかかる、上記2つの点から治療薬の開発に遅れが生じている。そこで本研究課題は、(2)の時間を削減するために、ウイルスの増殖を可視化できる発光SARS-CoV-2を作成する。作成した発光ウイルスをマウス感染させ、新規治療薬やワクチンの効果を簡便に評価することを目的とした。
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研究実績の概要 |
世界的なパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症は、全世界で非常に大きな問題として喫緊な対策が求められている。SARS-CoV-2の治療薬開発では動物での薬効評価が必須であるが、時間がかかるため早急な治療薬の開発にはより簡便で迅速な動物感染モデルでの薬剤評価系が必要不可欠である。本申請研究では、in vivoイメージングによりSARS-CoV-2感染マウスを非侵襲的に観察し、中和抗体薬や抗ウイルス治療薬の検討を迅速に行う系の確立を目的とする。本年度は、化学発光遺伝子を組み込んだ組換えSARS-CoV-2の作成を行った。このウイルスは、ウイルスの遺伝子の一部を欠損させる代わりに、化学発光遺伝子を組み込んだウイルスであり、ウイルス感染したマウスに基質を投与することで感染組織で化学発光が起こる。化学発光遺伝子としてAkaLuc遺伝子を挿入したウイルス(rSARS-CoV-2-AkaLuc)の作成を試みた。その結果、AkaLuc遺伝子を挿入した組換えウイルスは増殖しないことが判明した。その原因の1つとして、欠損させるウイルス遺伝子よりも挿入する化学発光遺伝子AkaLucが大きいため、ウイルスゲノムが粒子内にうまくパッケージングされない可能性があることが挙げられる。そこで我々は、AkaLucよりも遺伝子サイズの小さいteLucを挿入した組換えSARS-CoV-2(rSARS-CoV-2-teLuc)を作成することとした。現在rSARS-CoV-2-teLucの作成に成功しており、野生型のウイルスと同程度の増殖速度であることが分かった。今後rSARS-CoV-2-teLucを用いて、マウス生体内での化学発光の検出を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本申請での予定では、AkaLuc遺伝子を挿入したrSARS-CoV-2の作成を試みたが、組換えウイルスを取ることができなかった。その結果、挿入する化学発光遺伝子の種類を変更する必要があったため、実験に遅れが生じた。しかし、化学発光遺伝子の変更を行うことで組換えウイルス(rSARS-CoV-2-teLuc)の作出に成功しており、このウイルスを用いることで今後の実験の遂行が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成したrSARS-CoV-2-teLucが治療薬効果の検討に使用できるかを検討する。具体的には、マウス組織内での増殖速度や病原性が野生型と比較して同程度であるかどうかを検討する。また、化学発光の検出が感染後どの程度でできるかなどの実験を行うことで、治療薬効果の評価がどの程度短縮できるか検討を行う。現在はWuhan株を基本に組換えウイルスを作成しているが、今後感染状況に合わせて現在流行している株での組換えウイルス作成を検討する。
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