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多機能を有するリピート型RNAの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06083
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

二宮 賢介  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任講師(常勤) (00437279)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードncRNA / 核内構造体 / ストレス応答 / スプライシング / 長鎖非コードRNA / RNA結合タンパク質
研究開始時の研究の概要

熱ストレス後の霊長類細胞で発現する単純リピート型RNAであるHSATIII lncRNAについて、その配列上に機能の異なる様々なタンパク質をリクルートすることで、複数の分子機能を実現していることを明らかにしてきた。さらに、熱ストレス回復期にそれらを切り替えていくことが示唆されている。
本研究課題では、HSATIII lncRNAをモデルとして、単純なリピート配列型RNAの多機能性とその機能の切り替えの分子メカニズムの解明を目指す。さらに、得られた知見を元にHSATIII以外の新規の多機能性リピート型RNAの探索や、人工の多機能性RNAの創造への展開を試みる。

研究実績の概要

熱ストレス後の霊長類細胞で発現する単純リピート型RNAであるHSATIII lncRNAは、配列の大半を占める5塩基リピート配列と、その中に散在する別のリピート配列の組み合わせで構成されている。私達は、HSATIIIがその単純なリピート配列によって少なくとも4つの分子機能を実現していることを見出してきた。本研究課題では、HSATIII lncRNAをモデルとして、単純なリピート配列型RNAの多機能性とその機能の切り替えメカニズムを解析し、それらに着目した霊長類細胞に特有の熱ストレス応答機構の解明を目指す。
現在までに、HSATIIIの4つの分子機能のうち、未発表の2つについて、分子生物学的、生化学的手法を駆使して、その実体や役割の解析を進め、論文投稿を準備している。
HSATIIIの配列と機能の関連の解明を目指すうえで課題となるのが、HSATIII RNAが単一のRNAではなく、上記の特徴で定義される配列・長さが様々なヘテロなRNAの集合であること、加えて、繰り返しに富む配列ゆえに全長配列が決定されていないことから、従来の解析手法を適用させにくいという点である。本年度は、その問題を回避するためのアプローチである人工的にデザインしたHSATIII様配列を用いた構成的手法による解析を継続して推し進めるとともに、先進ゲノム支援の援助を受けて、ナノポアシークエンスによるHSATIIIの全長解読と解析を行った。その結果、数キロ以上の配列を含む様々なHSATIII RNAの全長配列を解析することに成功し、全長配列情報を元に機能を解析するための基盤が整えることが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HSATIII lncRNAが足場となる構造体である核内ストレス体は均一な構造体ではなく、HSATIII自身も複数の機能を持つ。その選択は、部分的には、HSATIIIの配列パターンの違いに依存していることが分かってきた。個別の配列解析が必要となるが、先進ゲノム支援の援助を受けて、ナノポアシークエンスを行い、数キロ以上の配列を含む様々なHSATIII RNAの全長配列を解析することが出来た。

今後の研究の推進方策

得られた配列情報やオミックスデータを元に、HSATIIIの多機能性について、個々の機能の詳細な解析や多様性を生むメカニズムを解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Satellite RNAs: emerging players in subnuclear architecture and gene regulation2023

    • 著者名/発表者名
      Ninomiya Kensuke、Yamazaki Tomohiro、Hirose Tetsuro
    • 雑誌名

      The EMBO Journal

      巻: 42 号: 18

    • DOI

      10.15252/embj.2023114331

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Nascent ribosomal RNA act as surfactant that suppresses growth of fibrillar centers in nucleolus2023

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Tetsuya、Yamazaki Tomohiro、Ninomiya Kensuke、Hirose Tetsuro
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 1129-1129

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05519-1

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A guide to membraneless organelles and their various roles in gene regulation2022

    • 著者名/発表者名
      Hirose Tetsuro、Ninomiya Kensuke、Nakagawa Shinichi、Yamazaki Tomohiro
    • 雑誌名

      Nature Reviews Molecular Cell Biology

      巻: 24 号: 4 ページ: 288-304

    • DOI

      10.1038/s41580-022-00558-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] HSATIII lncRNAのm6A修飾と多機能性2023

    • 著者名/発表者名
      二宮賢介
    • 学会等名
      遺伝研研究会「エピトランスクリプトーム制御の分子機構と生理機能」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Short-tandem repeat型RNAであるHSATIIIの多彩な分子機能2023

    • 著者名/発表者名
      二宮賢介
    • 学会等名
      RNAフロンティアミーティング2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Characterization and functional analysis of HSATIII-derived repetitive proteins2023

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Ninomiya, Shungo Adachi, Tetsuro Hirose
    • 学会等名
      第24回日本RNA学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] HSATIII lncRNAの多機能性とその制御機構2022

    • 著者名/発表者名
      二宮賢介, 足達俊吾, 廣瀬哲郎
    • 学会等名
      第45回 日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] The dynamics and functions of cytoplasmic HSATIII lncRNAs2022

    • 著者名/発表者名
      二宮賢介, 廣瀬哲郎
    • 学会等名
      第23回日本RNA学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 月刊「細胞」2022年7月号 Architectural RNAと液-液相分離2022

    • 著者名/発表者名
      二宮賢介, 廣瀬哲郎
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      ニューサイエンス社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] ヒトゲノムの繰り返し配列から作られるRNAとその反復のなせる技

    • URL

      https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/ja/research_results/papers/detail/1068

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 生成中のRNAは核小体の内部構造を制御する「界面活性剤」として働く

    • URL

      https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/ja/research_results/papers/detail/1076

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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