研究課題/領域番号 |
22K06093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
三好 智博 大分大学, グローカル感染症研究センター, 講師 (60534550)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Argonaute / DNA interference / ファージ / DNA silencing / phage / 感染防御機構 / small RNA / DNAサイレンシング / 遺伝子発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
Argonauteタンパク質は、小分子RNAをガイド鎖として、その塩基配列特異的に標的RNAを分解するメカニズムである。原核生物にもArgonauteは存在することが知られている。本研究では、原核型Argonauteの分子メカニズムを解明し、このシステムを応用した遺伝子発現制御システムを構築し、生命科学・医学分野のイノベーションに貢献する。
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研究実績の概要 |
申請者は、X線結晶構造解析と生化学的解析により、光合成細菌Rhodobacter sphaeroidesのArgonaute(RsAgo)が、小分子RNAをガイド鎖として、その相補的な塩基配列を持つDNAと結合することで真核生物のRNA干渉のメカニズムに一部類似するDNA interferenceに関与することを世界に先駆けて明らかにした。しかし、このシステムの詳細は、まだ明らかになっていない。我々は、RsAgoの外来DNAの感染抑制機能を明らかにするために、Agoが発現していない大腸菌の細胞にRsAgoを発現させ、バクテリオファージを感染させる実験により、Tファージシリーズは、RsAgoの発現により感染効率が上昇することが明らかとなった。本年度は実際に、RsAgoの遺伝子がコードされている光合成細菌の中でも、同様の機能を有するかどうかを確かめるために、新たなファージ感染実験を計画した。この実験には、光合成細菌に感染するファージが必要であるが、販売していないため自然界から自ら採取し取得する必要があった。海、川、湖など自然界の様々な箇所からファージが含まれていると考えられる水を採取して、新規ファージの探索を行った。現在のところ、まだ光合成細菌に感染するファージの獲得に至っておらず、本実験計画は継続中である。一方で、光合成細菌Rhodobacter sphaeroidesのRsAgoの欠損変異体は、海外の研究者経由で準備することができているため、ファージが得られ次第、変異体を使用してファージ感染に対するRsAgoの作用機序を調べることが可能である。今後は、新規ファージの探索を行いつつ、分子生物学的なアプローチを並行して行い、RsAgoの分子メカニズムを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該研究期間中に、度重なる研究室の引越しがあり、度々研究室が使用できない期間が多くあった。さらに、超低温冷凍庫の故障などのトラブルにも見舞われた。これらの問題により、実験の進捗が遅れていることと、新規ファージの取得に成功していないため、本研究課題の進捗状況に関して「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究期間では、主に光合成細菌に感染するバクテリオファージウイルスの探索を行った。海、川、湖など自然界の様々な箇所からファージが含まれていると考えられる水を採取して、ファージの探索を行ったが、現在のところ、まだ光合成細菌に感染するファージの獲得に至っておらず、本実験計画は継続中である。光合成細菌に感染するファージが見つからない場合は、実験系の構築は大腸菌を使用した系で行い、その分子メカニズムの解明は、 in vitroで構築する予定である。
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