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分子輪投げアレイデバイスが実現する環状DNA1分子のトポロジーダイナミクス解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06095
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

平野 研  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80392653)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード1分子DNA / トポロジー / 環状DNA / 1分子イメージング / マイクロ・ナノ流体デバイス
研究開始時の研究の概要

重要なDNA構造の一つである環状DNA1分子を「輪」の状態で実時間で直接イメージングして、構造・形態変化のダイナミクスの他、DNAのねじれ(トポロジー)と生体イベントとの関連性を1分子レベルで明らかにすることを目的としている。独自に開発した分子輪投げデバイスにより環状DNA1分子を輪投げの要領でマイクロ・ナノ構造に引っ掛けて「輪」の状態で捕捉し、イメージング・解析を実施する。はじめに分子輪投げのアレイ化デバイスを開発し、次いで、この独自技術により環状DNAと関連酵素(トポイソメラーゼやジャイレース)や核酸結合タンパク質(ヒストン等)との相互作用など1分子解析する。

研究実績の概要

重要なDNA構造の一つである環状DNA1分子を「輪」の状態で実時間で直接イメージングして、構造・形態変化のダイナミクスの他、DNAのねじれ(トポロジー)と生体イベントとの関連性を1分子レベルで明らかにすることを目的としている。独自に開発した分子輪投げデバイスにより環状DNA1分子を輪投げの要領でマイクロ・ナノ構造に引っ掛けて「輪」の状態で捕捉し、イメージング・解析を実施する。はじめに分子輪投げのアレイ化デバイスを開発し、次いで、この独自技術により環状DNAと関連酵素(トポイソメラーゼやジャイレース)や核酸結合タンパク質(ヒストン等)との相互作用など1分子解析する。
第2年度である今年度は、昨年度に検討した環状DNA1分子を高効率でマルチにトラップするアレイ化分子輪投げデバイスを用いて、ジャイレースによる環状DNA1分子のトポロジー解析を試みた。はじめに、ジャイレースに至適な環状DNAサンプルの調整方法を検討し、大腸菌を利用して1分子イメージンに適している巨大環状DNA1分子の増幅と精製・回収の方法を確立した。次いで、分子輪投げアレイ化デバイスを用いて、巨大環状DNA分子を捕捉した後にジャイレース酵素の反応を観察した。ジャイレース反応と思える画像を取得できたものの、ジャイレースに至適な反応バッファーの影響により、反応途中でデバイス表面への非特異的吸着、1分子DNAの蛍光輝度の変化、反応中のデフォーカスなどが発生し、解析に供するにはまだ安定した観察条件の詰めが必要であることが判明した。今年度後半は、上記詰めの観察条件の検討を中心に行ったが、来年度には解決できると見込まれるデータが得られた。詰めが必要であるものの環状DNA1分子での核酸結合酵素の反応現象を直接リアルタイムイメージング可能であることがほぼ実証できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第2年度である今年度は、昨年度に検討した環状DNA1分子を高効率でマルチにトラップするアレイ化分子輪投げデバイスを用いて、ジャイレースによる環状DNA1分子のトポロジー解析を試みた。はじめに、ジャイレースに至適な環状DNAサンプルの調整方法を検討し、大腸菌を利用して1分子イメージンに適している巨大環状DNA1分子の増幅と精製・回収の方法を確立した。次いで、分子輪投げアレイ化デバイスを用いて、巨大環状DNA分子を捕捉した後にジャイレース酵素の反応を観察した。ジャイレース反応と思える画像を取得できたものの、ジャイレースに至適な反応バッファーの影響により、反応途中でデバイス表面への非特異的吸着、1分子DNAの蛍光輝度の変化、反応中のデフォーカスなどが発生し、解析に供するにはまだ安定した観察条件の詰めが必要であることが判明した。今年度後半は、上記詰めの観察条件の検討を中心に行ったが、来年度には解決できると見込まれるデータが得られた。詰めが必要であるものの環状DNA1分子での核酸結合酵素の反応現象を直接リアルタイムイメージング可能であることがほぼ実証できた。

今後の研究の推進方策

本研究で開発したハイスループット化した分子輪投げアレイ化デバイスを用いて、環状DNA1分子での核酸結合酵素の反応現象を直接リアルタイムイメージング可能であることがほぼ実証できたことを受け、上記反応の再現性や観察手法を確立させ、次の研究項目である、ジャイレース・トポイソメラーゼによるDNA形態・酵素機能の解析(具体的には、蛍光(全反射)顕微鏡等を用いて、酵素分子の結合量や結合位置の経時変化なども含めた反応を、ジャイレースやトポイソメラーゼの種類の違いも含め明らかにする。また蛍光標識ATPを用いて、酵素反応のATPターンオーバーを可視化し、導入の超らせん密度一定=消費ATP量一定と考えられるものが酵素のゆらぎ等により受ける影響など種々の相互作用の解明を目指す)や生体内でねじれを導入するヒストンやコンデンシンなど核酸結合タンパク質のねじれ導入によるダイナミクスの違いも検討する。また、環状DNAのトポロジー(位相幾何学的形態)の解析 においては、ジャイレースやトポイソメラーゼ反応
によるねじれの導入・解消に基づいた環状DNAの形態変化のダイナミクスを1分子リアルタイム計測から明らかにする。実際にねじれをリアルタイムで導入し、実際にどのような過程と環境条件によりどのような超らせんが形成され得るのかなど、電子顕微鏡やAFM、理論的予測等で得られている過去の知見との対比を行う。染色体外環状DNA(eccDNA)の分離:標準的ながん細胞系列(HeLa細胞等)より細胞全体の核酸を抽出し、Nickase等により開環状DNAとした上で、分子輪投げアレイ化デバイスへ導入することで、環状DNAのみを捕捉できる特徴を活かし、環状DNA(eccDNA)を捕捉し分離する。従来の超遠心法と比較し(パルスフィールド電気泳動等で解析)、迅速・簡便性や低レベル量のeccDNAの回収能を評価する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Micro-DC rotary-motor working smoothly with neither contact brush nor fixed-axis2023

    • 著者名/発表者名
      Ishida Shusuke、Takatori Satoshi、Hirano Ken、Yamamoto Daigo、Oe Yohei、Yoshikawa Kenichi
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 13 号: 11

    • DOI

      10.1063/5.0169304

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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