研究課題/領域番号 |
22K06103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
溝端 栄一 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (90571183)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 構造生物化学 / 膜タンパク質 / アニオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
重原子イオンをチャネル膜タンパク質の結晶と混合してXFELの異常散乱を用いてイオン透過機構の動的構造解明を目指す。 最初に、陰イオンはチャネル表面や細孔内のどの部位にどの程度局在するのか検証する。そのために、XFEL結晶解析でチャネルと陰イオン(ヨウ素イオンなど)の相互作用を原子分解能で常温観察する。また、S型チャネルの機能は不明な点が多いため、陽イオンの関与があるのか否かもあわせて検証する。 陰イオンの結合を可視化出来たら、次に、ゲートPheをどのような構造変化をともない陰イオンが通過するのかの構造基盤を明らかにする。そのために、野生型およびイオン透過能が優れたゲート変異型の構造を決定する。
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研究実績の概要 |
S型アニオンチャネルは微生物から植物に存在する膜貫通型タンパク質であり、細胞膜を介して種々の陰イオンを透過する。そのイオン透過機構は、従来知られているアニオンチャネルとは全く異なると考えられているが、いまだ未解明である。本研究は、S型アニオンチャネルとそれを透過する陰イオンの相互作用を可視化することを目的としている。 インフルエンザ菌由来のS型アニオンチャネル膜タンパク質を大量発現・精製した。精製時の界面活性剤等の種類やバッファー中の塩濃度によって、膜タンパク質の会合状態が異なることが観察されたことから、より良質な会合条件の精製条件を確立した。精製した膜タンパク質を用いて結晶化条件を検討し、X線自由電子レーザー(XFEL)を用いた回折実験に供する微小結晶の作製条件を精密化した。これを用いて、XFEL施設SACLAにて微小結晶の回折能を評価したところ、最高で分解能3A程度の回折像を確認した。微結晶は、基質となるヨウ素イオンを添加した条件下でも取得することができた。 一方、精製した膜タンパク質の安定性を促進しつつ、微結晶の粘性を高めてXFELでの測定を効率化するための媒体として、新たにイオン液体を利用する条件検討を研究協力者と協同で進め、得られた結果をもとに特許出願を果たした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インフルエンザ菌由来のS型アニオンチャネル膜タンパク質の微小結晶を、試行錯誤を経て再現性良く調製することに成功したことは重要な進捗である。また、SACLAの試験利用ビームタイムを取得し、微結晶の回折能を確認できたことも、今後、構造決定をするための回折データの収集に向けて意義ある結果であった。 他方、当初の計画にはなかったものの、膜タンパク質および微結晶の安定性の向上を図る媒体の評価をできたことは、期待以上の成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
インフルエンザ菌由来のS型アニオンチャネル膜タンパク質の微結晶をSACLAのXFELを照射した際の回折能は、最高で分解能3A程度に留まったことから、今後、結晶化条件に添加剤を加えたり、発現させるタンパク質領域の微調整を行うことで、結晶性の改良を進めてゆく必要がある。 一方、上記の実験と並行して、新たに、真核生物由来のS型アニオンチャネルの発現・精製を進め、構造解析を目指した実験に着手する予定である。
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