研究課題/領域番号 |
22K06110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 良憲 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (50452529)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 転写後修飾 / 翻訳後修飾 / 低分子量Gタンパク質 / Ras / パルミトイル化 / 構造生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではパルミトイル化酵素および脱パルミトイル化酵素によるN-Rasの機能制御機構の理解やがん治療薬の創出に指向した研究を展開するための基盤として、これら酵素の立体構造に基づいた触媒活性機構・基質特異性の理解や阻害剤の作用機構を明らかにする。近年、Fragment-based drug design(FBDD)戦略による創薬の成功例も増えてきており、本研究で明らかとするN-Rasのパルミトイル化酵素および脱パルミトイル化酵素の構造情報は創薬への足掛かりとなる。
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研究実績の概要 |
タンパク質の脂質修飾の1つS-パルミトイル化は可逆的な翻訳後修飾で、多くのタンパク質の細胞内局在、安定性や機能を制御しており、がん遺伝子やがん抑制遺伝子の機能制御に必須である。哺乳類においてパルミトイル化はZDHHCファミリーと呼ばれるS-アシル転移酵素により触媒される。一方、脱パルミトイル化はAPT1/2やABHD17等の加水分解酵素により触媒される。これらの酵素はがん遺伝子やがん抑制遺伝子の機能を調節しており、がんにおいては発現パターンに変化が見られため、S-パルミトイル化のダイナミクスを制御する酵素はがん治療薬の標的候補と考えられている。本研究では低分子量Gタンパク質N-RasのS-パルミトイル化ダイナミクスを制御に着目し、脂質修飾よるN-Rasの機能制御機構の理解やがん治療薬の創出に指向した研究展開のための基盤として、ZDHHC9やABHD17の 構造解析を行い触媒機構や基質認識機構を原子レベルで明らかにすることで、シグナル伝達の理解、阻害剤の開発へ貢献することを目的としている。 N-Rasのパルミトイル化酵素ZDHHC9はFLAFタグを付加したコンストラクトを作製してアクセサリータンパク質GCP16と昆虫細胞および哺乳細胞発現系で共発現させた。膜画分から界面活性剤で可溶した後、抗FLAG2抗体樹脂を用いてアフィニティー精製を行い、哀愁的にゲルろ過クロマトグラフィーで精製を行ってクライオ電子顕微鏡での観察を行った。また、基質であるN-Rasは大腸菌で発現した後、精製を行ってin vitroでプレニル化酵素を用いてプレニル化を行って調製した。N-Rasの脱パルミトイル化酵素ABHD17についてはABHD17A, ABHD17Cについて種々のコンストラクトを作製して精製タンパク質を用いて結晶化スクリーニングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ZDHHC9単体の構造解析から基質との複合体の構造解析へとシフトを行った。このため、研究計画に変更が生じたため、遅れが生じている。基質の調製法を検討しており、次年度での解析を試みることを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
パルミトイル化酵素および脱パルミトイル化酵素との複合体での構造解析のため、基質であるN-Rasの試料調製を行う予定である。現在は大腸菌で発現したタンパク質を用いてin vitroでのプレニル化反応条件や試料の精製法について検討を行っているが、哺乳細胞で発現したタンパク質はin celluloでプレニル化修飾が起こるため、哺乳細胞で発現したタンパク質の精製も検討を行う。これにより基質を調製してクライオ電子顕微鏡での単粒子解析やX線結晶構造解析に向けた結晶化スクリーニングを予定している。
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