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細胞変性過程における統合的ストレス応答活性化の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 22K06118
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分43020:構造生物化学関連
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

柏木 一宏  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60732980)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード翻訳調節 / 統合的ストレス応答 / クライオ電子顕微鏡
研究開始時の研究の概要

アルツハイマー病など多くの神経変性疾患の病理には、異常なタンパク質の蓄積など共通した機構がみられる。細胞内への異常なタンパク質の蓄積はHRIと呼ばれるタンパク質の活性化を引き起こし、このことが神経変性疾患における神経細胞死の一因となっていることが示唆されている。本研究ではHRIの活性化に関わる複合体の構造を明らかにすることでその活性化機構を理解し、それをもとにHRIの活性化の抑制による神経保護の可能性を探る。

研究実績の概要

統合的ストレス応答(ISR)経路は細胞がストレスに対処・適応するするための翻訳調節機構であり、すべての真核生物に保存された機構である。しかしながら神経変性疾患においては、ISR経路の慢性的活性化が神経細胞喪失の一因となっていることが知られている。そのため、疾患初期段階における強力かつ一過的なISRの活性化によるストレス因子の除去、もしくは疾患後期段階における慢性的ISRの抑制による細胞死の抑制など、ISRの調節は神経変性疾患全般に対して新たな治療戦略となる可能性を秘めている。
HRIは哺乳類においてISRを誘導する因子の1つであり、細胞質基質への異常なタンパク質凝集体の蓄積やミトコンドリアの機能不全などのストレスに応答して活性化されることが近年相次いで報告されている。異常な凝集体やミトコンドリア機能の破綻はどちらも神経変性疾患で広くみられる現象であるため、HRIはISRを標的とした治療戦略において重要な因子となると考えられるが、その立体構造や活性化の分子基盤に関してはほとんど情報が得られていないのが現状である。
本研究では、HRIやその活性化に関与する因子群との複合体を調製し、クライオ電子顕微鏡を用いた立体構造解析によって、HRIの活性化や制御の分子基盤を理解することを目指している。こうした目的へ向けた本年度の実績としては、HRIとその活性化因子であるDELE1sとの複合体の調製法の確立に成功した。また、HRIや関連複合体に関してクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析を引き続き試みているが、粒子配向の偏りの改善が困難であり、三次元再構成像を得るには至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HRIや関連複合体の調製には成功しているものの、グリッド上での粒子配向の偏りを改善する条件の検討に時間を要しており、三次元像を得る段階に到達することができていない。

今後の研究の推進方策

粒子配向の偏りを改善する条件の検討を継続する。今年度はHRI単体を用いての条件検討が主であったが、今年度調製法が確立された各種複合体を用いての検討も並行して行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Switching on stress2023

    • 著者名/発表者名
      Kashiwagi Kazuhiro、Ito Takuhiro
    • 雑誌名

      Nature Chemical Biology

      巻: 20 号: 4 ページ: 394-395

    • DOI

      10.1038/s41589-023-01436-w

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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