研究課題/領域番号 |
22K06135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
内藤 裕子 藤田医科大学, 医療科学部, 講師 (10456775)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | シアル酸 / N-グリコリルノイラミン酸 / 異種自己抗原 / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々な疾患の素因として慢性炎症が注目されているが、炎症誘導機序については不明な点が多い。ヒトは、自身が生合成できないN-グリコリルノイラミン酸というシアル酸を食品から摂取することで自らの細胞上に異種自己抗原として発現する。これがヒト特異的な慢性炎症状態をもたらす可能性が考えられる。本研究は、ヒト型シアル酸発現マウスを用いて、本来ヒトでしか起こらない慢性炎症状態をマウスで再現するとともに、異種自己抗原であるシアル酸含有糖鎖に対する免疫応答が心血管性疾患に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
生活習慣病やがんなどに共通する基盤病態として、慢性炎症が注目されている。慢性炎症の要因の一つに食品由来成分が考えられるが、ヒトを用いた実験が不可能であることから科学的に証明されている例はない。我々は、ヒトでは生合成されない動物由来のシアル酸、Neu5Gcに着目した。Neu5Gcは食品から体内に取り込まれ、異種自己抗原として発現する。一方で、ヒトに本来存在しないNeu5Gcは免疫原性を持ち、ヒトの体内には抗Neu5Gc抗体が存在する。つまり、ヒトでは抗体と抗原が同時に存在することになり、これがヒト特異的な慢性炎症状態を誘導し、様々な疾患の病態に関与すると考えられる。炎症状態の各種病態への影響を実験的に証明するためには、適切な動物モデルが必要となる。そこで本研究では、研究代表者らが作製したヒト型シアル酸発現マウス(CMAH KOマウス)を用いてヒト特異的な慢性炎症状態を再現するマウスを作製し、ヒト疾患研究の基盤となる動物モデル系の確立を目指している。マウスモデル系の確立にあたっては、マウスの寿命が短いこと、実験動物を用いたモデル系では個体差が少ない方が望ましいことから、Neu5Gcの蓄積速度を高めることと、Neu5Gcに特異的で個体差の少ない免疫応答を誘導することが克服すべき課題である。予備的研究において、化合物の投与によりNeu5Gcを心臓の血管内皮に発現させることに成功したことから、本研究では、マウスに投与する炎症誘導性の抗Neu5Gモノクローナル抗体の作製を試みた。予備的実験において抗Neu5Gc抗体の産生誘導が見られたNeu5Gc高発現細胞でCMAH KOマウスを免疫し、得られたB細胞をミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマを作製した。その結果、Neu5Gcを含む糖鎖を異なる親和性・特異性で認識する抗体を産生する複数のハイブリドーマを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリドーマを作製する際に用いるフュージョンパートナーを工夫することで、Neu5Gcを含む糖鎖を異なる親和性・特異性で認識する抗体を産生する複数のハイブリドーマを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、得られたハイブリドーマが産生する抗体のエフェクター機能について検証中である。また、エフェクター機能の改善等に向けて、抗体の可変領域の塩基配列の解析も進めている。エフェクター機能を持つ抗Neu5Gc抗体が得られれば、Neu5Gcの前駆体となる化合物の投与と抗Neu5Gc抗体の投与を組み合わせ、平易で安定したヒト型慢性炎症モデルとなるマウス実験系を確立する。
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