研究課題/領域番号 |
22K06171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 詠士 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (00779340)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膜結合タンパク質 / 細胞膜 / 分子動力学シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内シグナル伝達に関与する膜結合タンパク質の多くは,膜に結合するためのリン脂質結合ドメインを含むいくつかの構造ドメインを有しているが,細胞膜上におけるそれらマルチ構造ドメインの挙動および脂質分子認識機構,タンパク質間相互作用は不明な点が多い.本研究ではマルチスケール分子動力学シミュレーションを行い,生体膜上での膜結合タンパク質の挙動や脂質認識,タンパク質同士の相互作用について分子レベルで研究を行う.
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研究実績の概要 |
細胞内シグナル伝達に関与する膜結合タンパク質の多くは,膜に結合するためのリン脂質結合ドメインを含むいくつかの構造ドメインを有しているが,細胞膜上におけるそれらマルチ構造ドメインの挙動および脂質分子認識機構,タンパク質間相互作用は不明な点が多い.本研究ではマルチスケール分子動力学シミュレーションを行い,生体膜上での膜結合タンパク質の挙動や脂質認識,タンパク質同士の相互作用について分子レベルで明らかにすることを目的としている. 今年度は,昨年度に引き続き,粗視化モデルとして使用するMartiniモデルの力場パラメータについて,タンパク質の大きさを表す慣性半径や,生体膜とタンパク質相互作用が実験で観測されている結果を再現するように調整を行った.膜結合ドメインであるPHドメインとKinaseドメインがループで繋がれた構造を有するAktタンパク質の全長立体構造を使用し,タンパク質/生体膜(PIP3脂質含有)/水/イオン系の粗視化分子動力学シミュレーションを行った.タンパク質とPIP3との生体膜上での相互作用,kinaseドメインとPHドメインの生体膜表面での分布や配向,構造変化ダイナミクスが明らかになった.本結果はマルチドメイン構造を有するタンパク質同士が生体膜上で相互作用する際に,どのようにお互いを認識し得るのか理解するために重要である. また,粗視化分子動力学シミュレーションよりも大きな時空間スケールでの不均一な生体膜上でのタンパク質挙動を可視化するためのメゾスケールシミュレーション手法の開発を行った.タンパク質の活性/非活性状態が変化するモデル検討とプログラム実装を行い,タンパク質の拡散・クラスター化について解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
粗視化分子動力学シミュレーションに用いる力場の調整に時間がかかりやや遅れていたが,調整ができ,マルチドメイン構造を有する膜結合タンパク質と生体膜との相互作用解析を分子レベルで行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,生体膜上でのタンパク質-タンパク質相互作用の解析を行うとともに,メゾスケールシミュレーションモデルの改良および検証を行いたいと考えている.
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