研究課題/領域番号 |
22K06205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋爪 脩 京都大学, 工学研究科, 助教 (50755692)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 活性酸素種 / ミトコンドリア / リソソーム / TRPML / 酸性環境 / マグネシウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではミトコンドリア由来の活性酸素種(ROS)がリソソームの膜分子を特異的に活性化する新たなROSシグナル伝達機構の解明に取り組む。細胞内のマグネシウム排出トランスポーターのノックダウンや抑制因子PRLの発現によりミトコンドリアでのROSレベルが上昇すること、ROSによるlysosomal exocytosisの活性化により細胞が酸性環境下でも盛んに増殖できることがわかった。また、細胞質でのROS応答に広く働くシグナル伝達系がまったく活性化されていなかった。そこで、ミトコンドリアROSがリソソームへ特異的に伝わりlysosomal exocytosisを活性化する仕組みと実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞内のマグネシウム排出トランスポーターであるCNNMの抑制や、CNNMと結合することでマグネシウム排出活性を抑制する分子であるPRLの過剰発現により引き起こされる細胞増殖の至適pHの酸性へのシフト、酸性環境への適応におけるリソソームエキソサイトーシス亢進のメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度は昨年度に行ったスクリーニングによる候補遺伝子に対するshRNAを発現するノックダウン細胞株を作成し、PRL発現による酸性環境への適応の関与を調べることでスクリーニング結果の妥当性の検証を行った。さらに、酸性環境への適応の作用機序を明らかにするために、PRL発現による酸性環境への適応のキャンセルを指標として低分子化合物を用いた薬剤スクリーニングも実施した。この結果、複数のTGFβI型受容体の阻害剤処理で酸性環境への適応が抑制されたことからTGFβシグナル経路のが関わっている可能性が示唆された。そこでTGFβシグナル経路の活性化の指標であるSMAD2の核への移行を免疫蛍光染色により調べたところ、 PRL発現細胞ではコントロール細胞と比較して核でのSMAD2のシグナルが増加していた。さらに、TGFβI型受容体やその下流因子であるSMAD2/3/4のノックダウンを行った細胞でも部分的にPRL発現による酸性環境への適応が抑制されることが明らかになった、これらの実験から、PRL発現による細胞の酸性環境への適応において、TGFβシグナル経路が強く関与していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度行ったスクリーニングにより、PRL発現による細胞の酸性環境への適応に関わる可能性の高いシグナル経路を明らかにできた。このため、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
PRL発現による酸性環境への適応へのTGFβシグナルの関与をより明確にする。TGFβI型受容体を中心に、その下流でどのような因子が関わるのか調べていく。
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