研究課題/領域番号 |
22K06210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
日詰 光治 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10378846)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DNA複製 / ヌクレオソーム / クロマチン / ヒストン / 複製 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA複製に伴い、鋳型鎖DNAに結合していたヒストンを新生鎖に結合させて再利用する“ヒストンリサイクル”が行われる。これが正しく行われることで、複製前と同様の染色体が再構築される。ヒストンリサイクルにおいて、MCM2やDPB3-DPB4などのタンパク質が機能することが既に示されている。本研究ではヒストンリサイクルの反応を試験管内で再現し、その分子機構の解明を目指す。とりわけ、MCM2などのタンパク質が、①鋳型鎖から解離したヒストンと一時的に結合して保持し、②そのヒストンを新生鎖に受け渡す、という二つのステップを各々測定する実験系を開発し、そこで機能するタンパク質の活性を定量的に理解する。
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研究実績の概要 |
精製したMcm2のN末領域(Mcm2N)とコアヒストン八量体との試験管内結合実験を進めたところ、八量体からH2A-H2B二量体が脱落したコアヒストン六量体とMcm2Nとが複合体を形成することを見出した。更に、この複合体にヒストンシャペロンFACTを加えると、結合する様子が検出された。一方で、FACTと同じくMcm2N、ヒストンと複合体を作ることが報告されているAsf1を添加しても、Mcm2N-ヒストン結合には影響せず、またAsf1がそこに相互作用することもなかった。 また、Mcm2Nは、保持したヒストン六量体をNap1存在下で解離させることもわかった。一方で、Mcm2N-ヒストン六量体複合体にDNAを加えると、凝集体を形成した。Mcm2N-ヒストン複合体にNap1を加えたうえで、DNAを添加すると、ヌクレオソームが形成される様子も検出した。 以上の結果から、ヒストンリサイクルのためにヒストンを保持したMcm2Nから、まずNap1などのシャペロンがヒストンを剥がし、そのうえでDNAにヒストンを供給してヌクレオソームを形成させるという、ヒストンの受け渡しのステップの存在が示唆された。 なお、DNA上にMcm2Nを固定してヒストンリサイクルを進めるために、SOS-boxを含むDNA上にLexA-Mcm2Nを固定した状態でコアヒストンを加える、あるいは、コアヒストンとLexA-Mcm2Nを混合したうえで、DNAを加えるなどの実験をしたが、いずれも混合した因子が凝集し、その先のヒストン受け渡し反応を進めるに至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNA上に固定したMcm2Nを利用してヒストンリサイクルを追跡するという当初の計画はうまくいかず、固定していないMcm2Nを用いて研究を進めている。しかし、その条件下において、各種ヒストンサイクル因子を添加する実験を行い、Mcm2N→Nap1というヒストンの授受が行われる様子が検出されている。当初の計画通りではないが、順調に解析結果は積み重ねられているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、引き続きDNA上に固定したMcm2Nでのヒストンリサイクルの系の確立を目指す。エキソヌクレアーゼを利用してDNA断片の一部だけを分解し、そこに形成させたヌクレオソームを解離させる系を確立して、そのヌクレオソームから遊離したヒストンをMcm2Nが保持できるかどうかの測定を行うことを目指すなど、系の確立とそれを用いた解析を実施する。 また、既に進めている遊離Mcm2Nを用いた解析も進める。Mcm2のN末領域はリン酸化修飾を細胞周期依存的に受けるので、それとヒストン結合や解離への影響を調べる。
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