研究課題/領域番号 |
22K06211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
新敷 信人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80569658)
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研究分担者 |
中村 史雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10262023)
實木 葵 (高橋葵) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80760074)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大脳皮質初代神経細胞 / 神経ガイダンス因子セマフォリン3A / ホスファチジルセリン表在化 / PlexinA1~A4の発現局在 / カスパーゼ活性化 / 樹状突起発達 / Sema3A受容体の絞り込み / PS表在化に至るおおよそのシグナル経路解明 / 神経突起伸長退縮 / セマフォリン3A / 細胞膜 / 脂質非対称性崩壊 / 神経発達 |
研究開始時の研究の概要 |
ホスファチジルセリン(PS)の細胞膜での局在は、細胞膜を中心とした様々な機能や細胞死にも関与する。神経細胞や神経回路の発達段階では、神経突起の伸長、シナプス形成、過剰な突起やシナプス除去など、細胞膜脂質の動的な変化を伴う現象が起こる。我々は、神経突起の発達を制御するセマフォリン3A(Sema3A)が、PSの局在変化を引き起こすことを見出した。この現象が、Sema3Aの作用である、軸索伸長抑制・樹状突起伸長・シナプス形成促進とどのように関連するのか明らかにすることが本研究の目的である。得られた結果は、「PSの正しい局在を決める因子」の異常による神経疾患の病態解析や治療等に活かすことが可能である。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、大脳皮質初代神経細胞(培養6日目:神経突起が発達する時期)においてSema3A~PS表在化に至る経路に関わる分子の解析として、①Sema3Aの作用によってPSが表在化する神経突起の特定、②Sema3A受容体複合体のPlexinA1~A4の発現・局在解析、③Sema3AによるCaspase-3活性化の解析、④Caspase-3によって活性化するスクランブラーゼXkrの局在解析を行った。 ①Sema3AによってPSが表在化する部位は、樹状突起分岐部、樹状突起先端部、成長円錐と、樹状突起発達に関わりうる特徴的な部位であることがわかった。②Sema3A受容体複合体のPlexinA1~A4のうち、PlexinA3は樹状突起(特に先端部で強い発現)、成長円錐に高発現、PlexinA4は神経突起全体に高発現し、両者に局在の違いが認められた。PlexinA1、A2はほとんど発現が認められなかった。③Sema3Aは、30分以内にCaspase-3の活性化を増強することがわかった。④強制発現させたXkr4は主に樹状突起に分布した。Xkr8は発現が弱く細胞死を引き起こす可能性が示唆された。 以上の結果から、Sema3A→NRP1/PlexinA3→Caspase活性化→Xkr4活性化→PS表在化が樹状突起で生じているものと考えられた。また、PSの表在化が樹状突起の分岐部・先端部・成長円錐で起こっていることからも、突起伸長・発達に何らかの関与がある可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題として設定した、「神経細胞におけるSema3AによるPS表在化の生理的意義とシグナル経路の解明」について両者とも大まかに把握することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、神経細胞に発現するスクランブラーゼ、PS表在化の樹状突起発達への関与を明らかにしていきたい。また、初年度からの課題である、Sema3Aによるカスパーゼ活性化はアポトーシスに至らないことに関しても解析していく予定である。
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