研究課題/領域番号 |
22K06213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
戸島 拓郎 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00373332)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 成長円錐 / 軸索ガイダンス / 膜交通 / オルガネラ / 超解像顕微鏡 / 神経回路形成 / 光遺伝学ツール |
研究開始時の研究の概要 |
全ての脳機能は発生期に構築される神経回路の正確な配線パタンに依存しており、神経配線の異常は種々の神経疾患に直結する。発生過程の神経細胞から伸びる軸索突起の先端部(成長円錐)は、周辺環境を感知して方向転換しながら移動し、遥か遠隔の標的まで正確に辿り着く。本研究では、成長円錐の運動性を統御する司令塔として膜交通機構に焦点を当て、膜交通が各種機能分子群の細胞内局在や動態を適材適所にコントロールすることで、成長円錐の臨機応変な運動性を生み出す仕組みを解明する。そのために、我々が開発した次世代型高速超解像顕微鏡と光遺伝学ツールを駆使し、生きた成長円錐内における様々な膜交通現象を精密に観て、操作する。
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研究実績の概要 |
脳機能は発生期に構築される神経回路の正確な配線パタンに依存しており、神経配線の異常は種々の神経疾患に直結する。発生過程の神経細胞から伸びる軸索突起の先端部(成長円錐)は、周辺環境を感知して方向転換しながら移動し、遥か遠隔の標的まで正確に辿り着く。本課題では、成長円錐の運動性を統御する司令塔として膜交通機構に焦点を当て、膜交通が各種機能分子群(細胞骨格制御因子・接着因子等)の細胞内局在や動態を適材適所にコントロールすることで、成長円錐の臨機応変な運動性を生み出す仕組みを解明することを目指している。そのために、研究代表者らが開発した高速超解像顕微鏡SCLIMや光遺伝学ツールを駆使し、生きた成長円錐内における様々な膜交通現象を精密に観て、操作する。 令和5年度は、耐褪色性能に非常に優れた性能を持つ新奇蛍光タンパク質StayGoldを用いて、我々が開発した最新モデルの高速超解像顕微鏡SCLIM2Mによる観察を行った。SCLIM2Mではシャッターを開放して時間軸をシームレス(インターバル無し)に連続撮像するため、蛍光タンパク質の褪色が大きな問題となっていたが、StayGoldの導入により少なくとも数十秒間、ほぼ褪色無しで連続撮像することに成功した。また、RUSH法により小胞体で新規合成された膜タンパク質がゴルジ体を通過する様子も、毎秒20立体という高速で捉えた。ゴルジ体の機能を細胞内局所で操作する光遺伝学ツールの改良・性能検証も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最新モデルの高速超解像顕微鏡SCLIM2Mが完成(論文発表に向けて現在改訂中)し、本格的に稼働が始まったため。新奇蛍光タンパク質StayGoldの導入と合わせて、今後の新しい観察結果を得るための準備が整った。その他の研究計画も概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最新型高速超解像顕微鏡SCLIM2MとStayGoldを組み合わせて、神経細胞の局所領域(とくに成長円錐)において、極めて高い時空間分解能で膜交通や積荷動態を解析してゆく。合わせて、開発した膜交通を操作する光遺伝学ツールを用いて、細胞内局所で膜交通を促進/阻害した時の成長円錐の運動に対する影響についても解析してゆく。
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