研究課題/領域番号 |
22K06215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大林 典彦 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40421979)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 小胞輸送 / 色素細胞 / メラノソーム / メラニン |
研究開始時の研究の概要 |
メラニンは、有害な紫外線から細胞を守るために重要な役割を果たすが、その一方で、ケラチノサイトにおける過剰なメラニンの沈着はしみやそばかすの原因ともなり、メラニン量を適切に制御することは生活の品質向上に不可欠である。本研究は、小胞輸送調節やアクチン骨格再構成に関わる低分子量Gタンパク質(RabとArf)の相互作用に着目し、未だ理解が進んでいない色素細胞におけるメラソーム輸送と樹状突起形成過程の相関性を解明することで、色素細胞における小胞輸送機構の包括的理解を目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、小胞輸送調節やアクチン骨格再構成に関わる低分子量Gタンパク質(RabとArf)の相互作用に着目し、未だ理解が進んでいない色素細胞におけるメラソーム輸送と樹状突起形成過程の相関性を解明することで、色素細胞における小胞輸送機構の包括的理解を目的としている。すでに、小胞輸送調節因子として知られるRab8A、そしてArf6の不活性化を担うACAP1がin vitroで相互作用することを見出しているが、メラノサイトにおける相互の細胞内局在を検討した。すでにRab8Aがメラノソームに発現しているとの報告は他のグループによりなされているが、メラノサイト内におけるRab8とACAP1の局在を観察したところ、多くは細胞辺縁部における局在が観察されたが、一部メラノソームにおいて二分子の共局在性が認められた。 また、恒常活性化型Rab8AあるいはACAP1を発現させたメラノサイトは、細胞外刺激非依存的に樹状突起を伸長させた一方で、不活性化型Rab8AあるいはGAP活性欠損ACAP1変異体を発現させたメラノサイトでは、樹状突起を示さなかった。つぎに、Rab8AとACAP1を共発現したメラノサイトについて、それぞれを単独発現したメラノサイトとの樹状突起長を検討したところ、共発現による樹状突起の更なる伸長は認められなかった。 つぎに、Arf6をノックダウンしたメラノサイトにおいて、恒常活性化型Rab8AあるいはACAP1を発現させたところ、ACAP1を発現させたメラノサイトの樹状突起形成は抑制されたが、Rab8Aを発現させたメラノサイトでは若干の抑制に留まった。以上から、メラノサイトの樹状突起形成におけるRab8AとArf6の関係性について、さらなる検討が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RabとArf-GAPとのin vitroでの相互作用について、メラノサイト内でも再現性よく観察されること、また、その相互作用がメラノサイト樹状突起形成に関わりがあることがわかってきており、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
メラノサイトにおけるRab8AやACAP1の生理機能について、より詳細を理解するために、それぞれの分子を欠損したメラノサイトを用いての樹状突起形成を検討課題とする。さらに、ACAP1の機能ドメインに係る解析を推進し、それぞれのドメインとRabとの関係性について解析し、メラノサイトの形態変化に責任を持つACAPドメインを検討することにより、RabとArfとの相互作用とメラノサイト樹状突起形成の関係性がより明確になることが期待される。
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