研究課題/領域番号 |
22K06217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本田 郁子 (小山郁子) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10447948)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オルガネラ / エンドサイトーシス / エンドソーム / 粒子解析 / 多変量解析 / 1粒子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内膜動態において、エンドソームは多様に遷移することが知られているが、いまだに定義が不鮮明なコンパートメントが存在する。また、エンドソーム関連オルガネラ全体を俯瞰した解析が不足している。その理由の一つは、典型的なオルガネラ解析方法に制限があるためであり、中でも分解能の低さとパラメーター数の少なさが問題であると考えられる。そこで本研究は、現在開発中の高分解能・多数パラメーターでのオルガネラ解析を目指した「オルガネラ粒子マルチパラメーター解析法」を応用し、エンドソーム関連オルガネラの全容を一挙に定量的に解析し、その遷移過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
エンドソームは多様に遷移するオルガネラであり、その詳細分類や遷移過程については多くの報告があるが、未だ統一の見解がない。細胞内に取り込まれた積み荷の、エンドソームを介した多経路への仕分け機構についても、特に哺乳類細胞においては未解決である。その理由は、典型的なオルガネラ研究手法に限界があり、エンドソームの多様なコンパートメントを抽出したり、全貌を定量的に解析したりすることが困難であるからと考えられる。エンドソーム分類および多経路の全貌を明らかにする突破口を築くためには、新たなオルガネラ研究手法を導入が求められる。そこで、開発中のオルガネラ粒子マルチパラメーター解析法を応用し、多種のエンドソームマーカーを一度に用いてエンドソーム関連オルガネラ群を定量的に解析することを、本研究の目的としている。今年度は、昨年度に準備をしたマルチパラメーターエンドサイトーシス関連オルガネラの測定の材料や条件検討を基に、エンドサイトーシス後の積み荷因子の遷移の可視化を行った。エンドソーム多色標識細胞を用い、蛍光標識した積み荷因子の上皮成長因子やトランスフェリンをエンドサイトーシスで細胞内にとりこませ、時間経過毎の細胞破砕液からエンドソーム1粒子情報を取得した。得られた多色1粒子情報を、UMAP法を用いた次元圧縮によって2次元プロファイルに展開し、積み荷の遷移過程の全容を可視化した。その結果、初期エンドソームからリサイクル経路と後期エンドソーム成熟経路それぞれにおけるサブクラスターの存在を推定することができた。これらの結果をとりまとめ、preprint paper として bioRxivに投稿した(Kurikawa Y. et al., bioRxiv 2023)。さらに、国際雑誌に投稿して査読を受け、現在改訂中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多色標識したエンドサイトーシス関連オルガネラを、蛍光スペクトルイメージング法を使って一度に検出し、研究協力者の協力を得ながら積み荷因子の遷移を可視化することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
この2年でおこなったエンドサイトーシス関連オルガネラ粒子の多色解析法について、測定条件やデータ解析法をさらにブラッシュアップして、検出の再現性や精度を高める。論文査読者の提案実験を行い、論文原稿を改訂して再投稿する。
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