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脊椎動物の「首」をつくりだす遺伝子機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06243
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関関西大学 (2023)
国立研究開発法人理化学研究所 (2022)

研究代表者

日下部 りえ  関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (70373298)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード頸部 / 骨格筋 / 発生 / 脊椎動物
研究開始時の研究の概要

本研究では、脊椎動物の進化の初期に分岐した、さまざまな魚類を主な比較対象に、頭部-体幹部境界領域における筋分化や筋骨格系の形成を制御する遺伝子の相互作用を解明する。鰓下筋や僧帽筋の骨格筋分化(筋芽細胞の融合と多核の筋繊維の形成)のステップにおいて、これらの筋の前駆細胞が体節を離れて移動する間は筋分化が抑制されている。この期間に、骨格や腱(頭部では多くが頭部中胚葉に由来する)との連携がつくりだされ、頸部の複雑なかたちと機能が確立されると考えられる。本研究では、筋分化を制御する因子を見出すだけでなく、骨格・腱、および筋肉を支配する運動神経の発生パターンとの連携についても明らかにする。

研究実績の概要

脊椎動物の「首」(頸部)は、頭部と体幹をつなぐ位置にあり、頭部を支えつつ体幹の多彩な運動を可能にしている。首の筋肉や骨格は、それぞれ複数の胚組織に由来し、一部は頭部と体幹部の派生物が複雑に混ざり合って分化する。本研究では、筋肉や腱の前駆細胞がどのような制御を受けて骨格や運動神経との連携をつくるかという問題に焦点を当てている。令和5年度は、所属研究機関を異動し新しい研究室を立ち上げ、主にメダカOryzias latipesやサンマCololabis sairaなどのダツ目真骨魚類を用いた解析を行った。メダカについては腱前駆細胞に発現する遺伝子のプローブを用いて、鰓下筋や頭部周辺の発現部位を解剖学的に観察した。また、移動性筋芽細胞の挙動を制御する遺伝子候補を単離し発現パターンを調べたところ、骨格筋だけでなく脳の特定の領域に発現しており、この細胞について脳の領域マーカーを用いた解析を進めている。新研究室では筋肉の部位特異的な疾患も視野に入れ、肢体型筋ジストロフィーの原因遺伝子についても解析を開始しており、いくつかの原因遺伝子について発現パターンを解析を行い、ゲノム編集による疾患モデルの作成に着手した。
サンマについては国立遺伝学研究所との共同研究により整備されたゲノムデータベースを活用し、移動性筋芽細胞の挙動に関わる遺伝子cDNAを単離し、発現パターンの解析を行った。現在この魚種の発生学的特性や、水産資源としての位置付けも視野に入れた研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度には新研究室に加入した人員と共に実験を進め、新たな遺伝子の探索や遺伝子発現パターンの解析を効率的に進めることができた。また国立遺伝学研究所との共同研究を開始し、更新されたゲノムデータベースを活用できるようになった。

今後の研究の推進方策

胚発生期から成魚期に渡って体が透明で、ゲノム編集技術の応用が可能なメダカを主な材料とし、長距離移動する体節筋での機能が知られている遺伝子、腱の形成に必須な遺伝子、また軟骨分化に必須な遺伝子の発現パターンを詳細に調べる。また魚類の運動機能全般を視野に入れ、遺伝性疾患モデルを作り出せる遺伝子の候補を探索し、その機能欠失の影響の解析も目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 円口類ヤツメウナギの遺伝子から探る脊椎動物の進化2024

    • 著者名/発表者名
      日下部 りえ
    • 雑誌名

      遺伝子医学

      巻: 47 ページ: 107-113

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thyroid and endostyle development in cyclostomes provides new insights into the evolutionary history of vertebrates2022

    • 著者名/発表者名
      Takagi Wataru、Sugahara Fumiaki、Higuchi Shinnosuke、Kusakabe Rie、Pascual-Anaya Juan、Sato Iori、Oisi Yasuhiro、Ogawa Nobuhiro、Miyanishi Hiroshi、Adachi Noritaka、Hyodo Susumu、Kuratani Shigeru
    • 雑誌名

      BMC Biology

      巻: 20 号: 1 ページ: 76-76

    • DOI

      10.1186/s12915-022-01282-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Differential expression of Lbx genes and complexity of skeletal musculature in vertebrates2023

    • 著者名/発表者名
      Rie Kusakabe
    • 学会等名
      Society for Developmental Biology 82nd Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 多様な生物を使った骨格筋研究 -骨格筋の進化から発生、再生まで-2023

    • 著者名/発表者名
      日下部 りえ
    • 学会等名
      第9回日本筋学会学術集会・第 10 回筋ジストロフィー医療研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Evolution of gnathostome-specific musculatures at the head/trunk interface and underlying molecular mechanisms2022

    • 著者名/発表者名
      Rie Kusakabe and Shigeru Kuratani
    • 学会等名
      Society for Developmental Biology 81st Annual Meeting and Pan-American Society for Evolutionary Developmental Biology 4th Biennial Meeting
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 頭部-体幹部境界領域の形成を支える分子機序2022

    • 著者名/発表者名
      日下部りえ、倉谷滋
    • 学会等名
      (社)日本動物学会第93回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Developmental evolution of gnathostome-specific musculatures and underlying molecular mechanisms2022

    • 著者名/発表者名
      Rie Kusakabe and Shigeru Kuratani
    • 学会等名
      3rd Joint Franco-Japanese Developmental Biology Meeting
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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