研究課題/領域番号 |
22K06265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高橋 直紀 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40553623)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 根 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は高い再生能力を有しており、組織が損傷を受けたとしても速やかに修復することで、持続的な成長を可能にしている。植物の組織再生機構の理解は、植物の永続的な発生を支える基盤として重要であるだけでなく、様々な状況下での植物の巧みな生存戦略の理解にも繋がる。そのことから、植物の組織再生機構を分子レベルで明らかにすることは重要な研究課題である。最近の我々の研究により、植物ホルモンのブラシノステロイドが根の組織再生に重要な役割を果たしていることを明らかにしている。本研究では、組織再生過程における植物ホルモンの役割を明らかにすることで、植物の組織再生の分子基盤の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
植物は高い再生能力を有しており、組織が損傷を受けたとしても速やかに修復することで、持続的な成長を可能にしている。植物の組織再生機構の理解は、植物の永続的な発生を支える基盤として重要であるだけでなく、様々な状況下での植物の巧みな生存戦略の理解にも繋がる。そのことから、植物の組織再生機構を分子レベルで明らかにすることは重要な研究課題である。最近の研究で、植物ホルモンが根の組織再生に重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究では、組織再生過程における植物ホルモンの役割を明らかにすることで、植物の組織再生の分子基盤の解明を目指す。 シロイヌナズナの根の幹細胞を含む先端部分を切断すると、組織のリプログラミングが起きることで、新しい幹細胞が作り出されて組織再生が行われる。本年度は、シロイヌナズナの根端を切除すると、植物ホルモンの一つであるブラシノステロイドの生合成遺伝子(DWARF4など)の発現が誘導されることを明らかにした。そこで、ブラシノステロイドの組織再生における役割を明らかにするために、ブラシノステロイドの生合成阻害剤(ブラシナゾール)をシロイヌナズナに処理した時の根端切除後の組織再生に与える影響を調べた。その結果、ブラシナゾールを処理すると、根端切除後の根の組織再生が著しく遅延することを明らかにした。さらに、ブラシノステロイド受容体の機能欠損変異体でも、根の組織再生が遅れることを発見した。これらの結果から、ブラシノステロイドがシロイヌナズナの組織再生において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織再生におけるブラシノステロイドの役割を新たに見出したことから、現在までおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
組織再生時のブラシノステロイドの時空間的なシグナル変化について明らかにする。また、以前までの報告で、組織再生にはオーキシンとサイトカイニンが関わっていることが報告されている。そこで、ブラシノステロイドとオーキシン、サイトカイニンの関係を調べることで、組織再生における植物ホルモンのクロストークについても明らかにする。
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