研究課題/領域番号 |
22K06301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
二宮 裕將 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40514237)
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研究分担者 |
有泉 高史 玉川大学, 農学部, 教授 (30286166)
石嶺 久子 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90736737)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 外胚葉 / 両生類 / 上皮細胞 / 紡錘体の配向 / 間葉上皮転換 / 形態形成 / 細胞分裂 / 細胞運動 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の発生では、受精卵からまず二次元シート状の外胚葉構造を作った後に三次元的な体の組織構築を始めるが、この様式の意義は明らかでない。ヒトの外胚葉は単細胞層であるが、その形成に関する研究は少ない。本研究では単細胞層外胚葉を形成するイモリの1)外胚葉形成過程を解析し、その仕組みを調べる。そして2)私が開発した方法により外胚葉シート構造の多細胞層化・攪乱を誘導し、体作りへの影響を見る。さらに3)ヒト外胚葉に相当するヒトiPS細胞を重細胞層化し、そこからの細胞分化と組織形態形成を解析し、影響をヒト組織で検証する。これらの研究より、脊椎動物の単細胞層外胚葉シート形成の仕組み、意味を究明していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、脊椎動物の発生において三次元的な胚体の組織構築の起点である外胚葉のシート構造形成の意義を明らかにするため、両生類胚を用いた解析を進めている。両生類胚は比較的大型・水中で発生するため扱いやすく、外胚葉の構造が近縁の有尾類(単層)と無尾類(重層)で異なる等、本研究にとっての利点がいくつかある。最初に、あまり調べられていない有尾両生類(アカハライモリ)の単層外胚葉形成の仕組みについて調べた。まずアカハライモリ外胚葉の形成過程を組織学的に調べたところ、外胚葉シートは一時的に非上皮細胞を少量含む重層上皮になるものの、多くの胚発生段階で単層上皮を維持し、最終的には完全な単層上皮を形成することが確認された。次に単層上皮組織構造維持のメカニズムを探るため外胚葉細胞の有糸分裂紡錘体の配向を解析したところ、細胞の形に関わらず、多くの細胞が一貫して上皮のapical表面に対し水平方向に分裂していた。これは細胞の長軸方向に分裂が起こるツメガエルとは異なる機構であり、単層上皮構造を維持する主要な原理であると考えられる。さらに非上皮化した細胞が最終的に見られなくなる理由を調べるため、上皮細胞apical表面をビオチンラベルした胚の組織学的解析や細胞膜GFPにより一部ラベルした胚のtime-lapse撮影による細胞系譜追跡を試みたところ、外胚葉内層から外層への挿入(間葉上皮転換)が起こることが示された。以上の結果から、細胞分裂方向制御と間葉上皮転換の2つがアカハライモリの単層外胚葉の形成機構であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アカハライモリの単層外胚葉の形成過程およびその仕組みの全貌を組織学的見地から明らかにすることができた。よって、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
外胚葉のシート構造が乱れた場合、発生にどのような影響があるか調べるため、lgl と aPKC を外胚葉に過剰発現させることにより外胚葉を重層化し、その影響を組織形態学および免疫組織学的に解析する。実験はイモリ胚とツメガエル胚に対して試み、その違いを比較検討する。まず、重層化の仕組みとして細胞の分裂方向(有糸分裂紡錘体の配向)や上皮間葉転換が関係しているか調べ、さらに重層化の程度を数値化する。その後には背側外胚葉を重層化した場合の体軸伸長への影響、および頭部外胚葉を重層化した場合の頭部形態への影響を明らかにする。
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