研究課題/領域番号 |
22K06320
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中畑 泰和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (50390810)
|
研究分担者 |
樽見 航 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40714895)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 概日時計 / 細胞老化 / NAD+ / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が取り組んでいる学術的な「問い」は、「概日時計はNAD+が関わる抗老化プロセスのハブ機構か?」である。これまでに、概日時計とNAD+代謝に相互制御の関係があること、細胞内NAD+量が細胞老化進行とともに減少すること、細胞老化にともない概日時計が変調(老化)することなどを報告してきた。本研究では、i) NAD+ブーストによる概日時計老化回復の分子機序、ii) NAD+ブーストによる概日時計老化の回復が他の生理機能をも回復させるか、の解明に取り組む。本研究が成功すれば、多岐にわたる臨床研究分野へのトランスレーショナルリサーチの端緒となり得ると考えている。
|
研究実績の概要 |
老齢個体からの老化細胞除去が老化関連疾患発症の遅延、ひいては寿命延長を可能にすることが報告されて以来、老化細胞を特異的に除去するsenolytic薬と呼ばれる老化細胞除去薬の発見・開発がアンチエイジング研究のひとつの大きな潮流となってきている。その一方で、老化進行抑制を目的としたNAD+ブーストによる老化プロセス制御の研究も近年盛んに行われている。代表者らは、NAD+ブーストが概日時計の老化をも制御し、NAD+ブーストによる概日時計老化の回復が臓器老化、ひいては個体老化の回復の鍵になると考えて研究を進めている。これまでに、ヒト胎児由来正常初代線維芽細胞TIG-3細胞を用いて、細胞老化により概日時計遺伝子発現リズムの減弱および位相後退を含む周期延長が惹起されること、NAD+ブーストによりそれらが改善されることを明らかにしてきた。この分子機序としてすでにSIRT1と呼ばれるNAD+依存性酵素が周期的概日時計発現の振幅を制御していることを報告しているが、 今年度、異なるNAD+依存性酵素も関与すること、さらに興味深いことに、この酵素が関与する概日時計特性は、SIRT1とは異なる概日時計特性を制御することを見出した。さらにその酵素のターゲットと思われる時計分子の同定およびその分子への作用機序の一端も見出している。今後は、この酵素による時計機構の制御メカニズムの詳細解明および、マウス個体を用いた検証、確認も行い、ヒトへの応用の可能性を示す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな概日時計老化に関与するNAD+依存性酵素の同定およびその酵素の標的時計分子の同定・作用機序の一端を解明したため
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、NAD+依存性酵素およびその標的時計分子による概日時計制御メカニズムの解明に努める。さらに、老齢マウスを用いて個体レベルでも確認する。
|