研究課題/領域番号 |
22K06328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
本庄 賢 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 研究員 (50731866)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 痛覚 / 下行性制御 / 侵害受容 |
研究開始時の研究の概要 |
未だ不明な点が多いヒトの痛みの複雑なメカニズム解明には、様々なモデル動物の利点を生かした研究アプローチが必要と考えられる。しかし、ヒトの痛みの研究に哺乳動物以外のモデル動物がどれだけ利用可能かはよくわかっていない。本研究では、ハエに哺乳類との間で進化的に保存された疼痛制御機構(下行性侵害受容制御系)を見出した申請者の先行研究を発展させ、ハエにどこまでヒトと類似した複雑な下行性侵害受容制御系が存在するか、そしてハエがどこまでヒトの複雑な痛み制御メカニズムの解明にモデルとして利用できるかという問題を追及していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ショウジョウバエの優れた神経遺伝学的実験ツールの駆使による、下行性侵害受容制御ニューロンの新規発見とその動作原理の解明である。 本年度はまず幼虫の下行性ニューロンを標識するGAL4系統の探索を実施し、20系統ほどの幼虫下行性ニューロン標識系統を見出すことに成功した。さらに、熱遺伝学的なニューロンの人為発火実験系を利用し、見出した下行性ニューロン標識系統の中から発火させた際に幼虫の侵害受容応答を促進するものと、逆に抑制するものをそれぞれ複数系統見出すことに成功した。また、今後これらの下行性ニューロンの神経回路構造を解析していくための手法として、シナプス下流ニューロンの網羅的な同定を行うことができるtrans-Tango法を利用するための系統作製を行った。作製した系統を用いDSK発現ニューロンでのtrans-Tango実験を実施し、trans-Tango法が想定通りに機能し下流候補ニューロンを標識することを確かめることができた。 下行性ニューロンの動作原理の解明に向けて、LED UV光源など用いた実験条件の検討を進め、無解剖の幼虫で侵害熱刺激への侵害受容神経系の応答を再現性良く検出可能なCaMPARI2を用いた神経スナップショットイメージングの実験系を確立することが出来た。この実験系を用いてDSK発現細胞の通常時および侵害熱刺激提示時の神経活動の観察にも成功した。 trans-TangoとCaMPARI2を用いたDSK発現細胞の解析データ部分は、DSK作動性の下行性抑制系の存在を示すその他のデータと併せて査読付き論文として公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規下行性ニューロンの探索を当初の予想を上回るスピードで完了することができ、その他の計画についても必要な実験系の確立を想定通りに進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究遂行に必要な実験系が想定通りに確立でき、また新規下行性ニューロンも発見できているため、今後はこの実験系を利用して当初の通りに下行性ニューロンの機能解析を進めていく予定である。
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