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相同的組換えでの相同並行三重鎖DNAの働き

研究課題

研究課題/領域番号 22K06335
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45010:遺伝学関連
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

柴田 武彦  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 研究員 (70087550)

研究分担者 廣田 耕志  東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00342840)
正井 久雄  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 所長 (40229349)
笹沼 博之  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 副参事研究員 (00531691)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード相同DNA組換え / 相同DNA対合 / RecA/Rad51族組換え酵素 / ハイブリッド二本鎖 / 相同三重鎖 / 組換え中間体 / ヘテロ二重鎖DNA / ハイブリッド二重鎖DNA / 相同対合反応 / RecA / Rad51 / 相同組換え修復 / 相同並行三重鎖 / ハイブリッド二重鎖 / Dループ
研究開始時の研究の概要

相同的組換えがDNA二本鎖切断を正確に修復してゲノムを維持する。相同的組換えの要は、切断端からできる単鎖(ss)DNA域が二重鎖(ds)DNAの中から互いに相同な配列を見つけハイブリッドds (Hyb-ds) を作る反応である。この反応の仕組みは未だに定説がない。ある酵素がdsDNAの塩基対を開き、できたss域で相手のssDNAとアニールしてHyb-dsをつくる「二重鎖開裂が先」モデルと、逆に、ds構造が開く前にssDNAとの相同配列が見つけ出される「二重鎖開裂が後」モデルとがある。本研究では「二重鎖開裂が後」モデルにだけ想定される「相同並行三重鎖」の存在を示すことで、このモデルの確証を得る。

研究実績の概要

RecAがdsDNAの塩基対を開き、できたss域で相手のssDNAとアニールしてハイブリッド二本鎖 (Hyb-ds) をつくる「二重鎖開裂が先」モデルと、逆に、ds構造が開く前にssDNAとの相同配列が見つけ出される「二重鎖開裂が後」モデルとがある。RecAによるHyb-ds 形成で最初にできる6-8塩基程度の核が、「二重鎖開裂が後」モデルに特有な相同並行三重鎖であることを示すことで「二重鎖開裂が後」モデルが正しいことを示す証拠を得ることが、本研究の目的である。そのためには、高感度二本鎖DNA巻き戻しアッセイと共に、Hyb-ds核形成の機能を保ちながら、その核をDループへ変換し、成長させるRecAの第2の機能を抑制できるかが鍵になる。
a. Hyb-dsの核をDループへ変換し、成長させるRecAの第2の機能を抑制し、Hyb-ds核形成段階でトラップするためのrecA変異体候補として、Yangらのクライオ電子顕微鏡解析(Nature 2020) の結果から明らかになった、Dループの両端で二本鎖DNAの解列を安定化しているL2ループ先端のPhe203をAlaに置換したF203A変異をもつrecA変異体を精製して、Dループ形成への影響を解析した。その結果、F203A変異recAでもDループを形成することが分かり、Phe230による二本鎖DNA解列はDループ形成に必須ではないことがわかった。
b. 高感度ds巻き戻しアッセイ系を開発して、RecA野生型によるDループ形成過程での二本鎖DNAの巻き戻しを解析した。その結果、一本鎖DNAとの相同配列を探している段階では、3000塩基対の二本鎖DNAは1回転の巻き戻しも起こらず、互いに相同な塩基配列を識別した後に初めて二本鎖DNAの巻き戻しが起こることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要のa とb で述べた結果は、「二重鎖開裂が先」モデルとは相いれず、「二重鎖開裂が後」モデルを支持する。この結果は、「二重鎖開裂が後」モデルが正しいことを示す証拠と言える。これらの結果をまとめた論文は、2023年年末に、Nucleic Acids Research 誌 (IP: 19) に受理され、2024年の初頭に出版された。

今後の研究の推進方策

野生型RecAはDループを精製したのち、ATP加水分解に依存してできたDループを一本鎖DNAの5'-3'へ移動させて解離する「Dループ加工」活性を合わせて持つ。Hyb-dsの核をDループへ変換し、成長させるRecAの第2の機能を抑制し、Hyb-ds核形成段階でトラップするためのrecA変異体候補として取得、精製した、Dループの両端で二本鎖DNAの解列を安定化しているL2ループ先端のPhe203をAlaに置換したF203A変異をもつrecA変異は、Dループは形成するが、できたDループを解離することができないことが分かった。その結果、F203は、むしろ、相同三重鎖をDループに成熟させる機能をもつ可能性が、また、203A変異はHyb-ds核形成段階でトラップする可能性が示唆された。さらに、相同三重鎖とDループとを区別する手法を導入し、この課題の目的である相同三重鎖の存在の検証を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Homology recognition without double-stranded DNA-strand separation in D-loop formation by RecA2024

    • 著者名/発表者名
      Shibata Takehiko、Ikawa Shukuko、Iwasaki Wakana、Sasanuma Hiroyuki、Masai Hisao、Hirota Kouji
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 52 号: 5 ページ: 2565-2577

    • DOI

      10.1093/nar/gkad1260

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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