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コウモリの反響定位能進化に関わる伝音・感音機能の比較発生学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06337
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45020:進化生物学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

古寺 敏子  順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90822809)

研究分担者 武智 正樹  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10455355)
小薮 大輔  筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 准教授 (60712510)
伊藤 哲史  富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90334812)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード形態形成 / 反響定位 / 進化生物学 / 比較発生学
研究開始時の研究の概要

哺乳類全体の約4分の1を占めるコウモリ類の中で、洗練された超音波を用いた反響定位能(エコロケーション)を有するコウモリは、対象物の位置情報及び周囲環境の三次元形状情報を得ることにより夜間の飛行採餌を可能にしてきた。
コウモリが反響定位能獲得に至った進化の過程を解明するには、胎児期における伝音機能(聴覚器形態)と感音機能(聴覚伝達路)双方の特殊化を理解する必要があると考えられる。
本研究では本研究グループが所有する膨大なコウモリ胎児標本を用い、比較発生学的アプローチにより聴覚器形態と聴覚伝達路において、反響定位能の獲得を可能にした発生イべントや遺伝子発現の進化的変化を解明する。

研究実績の概要

本研究の目的は、コウモリが反響定位能を進化の過程でどのように獲得したかを、聴覚器形態と聴覚伝達路の双方から考察することである。反響定位(エコーロケーション)を行うコウモリ類は茎状舌骨が鼓室輪に直接つながっていることから、本年度は鼻発信を行うキクガシラコウモリに着目し、咽頭胚後期から出生直前の胎児について、茎状舌骨や鼓室領域の発生過程を検討するためにサンプルを切片化し、HE染色と免疫染色を行い検討した。さらにエコーロケーション能力の獲得が出生後であることを考慮し、幼獣、成獣においても同様の実験を行い、マウスの同時期サンプルと比較した。その結果、マウスは外耳道が閉塞した状態で生まれるのに対し、キクガシラコウモリでは胎児の段階で開いていること、マウスでは出生直前から出生後しばらくの期間中耳腔は間葉細胞で満たされているのに対し、キクガシラコウモリでは出生前すでに中耳腔の間葉の退縮と空洞化が始まっていることが明らかになった。これらの結果は超音波受信の有無と関係していると考えられた。さらにエコーロケーションを行うコウモリ間でも聴覚器形態の相違がないかを検討したところ、口発信を行うヒナコウモリと鼻発信を行うキクガシラコウモリ間で耳介の形態、動かし方、耳介から外耳道にかけての聴覚器領域に違いが見られた。これらの結果をもとに超音波の受信を行う耳介の発生過程の解析も視野に含め、遺伝子解析のためのプライマーを設計し、in situ ハイブリダイゼーションのプローブを作成し現在解析中である。口発信を行うヒナコウモリのサンンプルは、成獣を含む発生期の胎児サンプルを本年度ある程度得ることができた。コウモリ内耳領域のトランスクリプトーム比較解析は共同分担者が続行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験状況から研究内容を一部変更、拡張したため、当初の予定の実験計画のうち遅れているものが生じている。

今後の研究の推進方策

エコーロケーションを行うコウモリと行わないコウモリ、行うコウモリでも鼻発信と口発信のコウモリでの超音波受信の相違を聴覚領域の形態形成を含めて明らかにする。
コウモリ内耳領域のトランスクリプトーム比較解析を引き続き行う。
コウモリ内耳での周波数に応じた神経細胞配列を、コウモリ及び哺乳類胎児の蝸牛神経核の神経細胞の発生タイミング及び聴覚伝導路から比較する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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