• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

味覚受容体の進化が魚類の環境適応に果たした役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06339
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45020:進化生物学関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

松村 秀一  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30273535)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード味覚 / 受容体 / 食性 / アユ / 進化 / 魚類
研究開始時の研究の概要

ほとんどの生息地で、アユは大部分の成長と産卵を川で行う一方、孵化仔魚は海へ下り冬季をそこで過ごすという生活史(両側回遊型)を示す。海洋生活期のアユは沿岸で動物プランクトンを捕食するが、早春、稚魚は河口域へと侵入し、動物プランクトン食から付着藻類を中心とする植物食へと変化する。本研究では、特徴的な食性を示すアユを題材にして、味覚受容体遺伝子の進化がその適応に与えた影響を解明する。具体的には、(1)アユの味覚受容体は他の魚種に比べて付着藻類食に対応した適応的変化を示す、(2)アユはリガンドの異なる複数のTas1r2受容体を持ち成長に伴いその発現が変化する、という仮説の妥当性を検討する。

研究実績の概要

アユは海と河川を行き来する両側回遊型であり、一生のうちにプランクトン食から付着藻類食へと食性が変化する。食性の変化について文献調査や関係者への聞き取りを進めた結果、海中で生活しプランクトン食の稚魚および河川の中上流域で生活し藻類食の成魚に加え、海からの遡上途上の幼魚が昆虫食を含む独自の食性を示すことが明らかになった。そこで、3つの段階のアユ個体を入手し、全mRNAを抽出してcDNA化した。その試料を用いて、RNA-seq解析およびリアルタイムPCR解析を実施し、遺伝子発現量の定量化を進めた。RNA-seq解析の結果、一部の魚類では複数セットのTas1rsが報告されているものの、アユのTas1rsは1セットである可能性が高まった。また、Tas1r1とTas1r2についてはゲノム配列で予想されたエキソンに対応するmRNAが発現していたが、Tas1r3についてはその上流に5’UTRであるもう一つのエキソンが見つかった。さらに、5’UTRの発現に複数のバリアントが見つかり、これらが成長段階における遺伝子発現量の変化と関連している可能性もある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子発現パターンが予想よりも複雑であり単純な量的比較ではきれいな結果が得られない可能性は高まったものの、計画した内容をほぼ実施できたため。

今後の研究の推進方策

RNA-seq解析の結果を踏まえ、転写バリアントの存在を考慮したリアルタイムPCRをおこない、成長段階毎の遺伝子発現量を定量化する。一方、決定した遺伝子配列に基づき受容体を培養細胞に発現させる機能解析をおこない、Tas1rsが受容する化学物質を明らかにして実際の食性との対応関係を検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Leibniz Inst Freshw Ecol Inland Fish(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 動物遺伝学研究室

    • URL

      https://www1.gifu-u.ac.jp/~genetics/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi