研究課題/領域番号 |
22K06353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤本 心太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (40779758)
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研究分担者 |
美濃川 拓哉 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (60400305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 生活史 / 分類学 / 行動 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
海産クマムシ類の生き様はどのようなものか。これを理解するために本研究は海産クマムシ類の飼育実験系を通して、生活史、初期発生、感覚器官の機能、生殖隔離機構といったテーマに挑むものである。本研究は、海産クマムシ類に関する理解を飛躍的に深化させ、クマムシ学のみならず、メイオベントス学や海洋生物学に、大きく貢献するものと期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、海産クマムシ類の飼育系を用いて生活史の解明や交雑実験、頭部感覚器官の機能解明を目指すものである。本年度は、山口県産系統/種の生活環を安定的に回すことを目指し、個体の歩きやすい足場の特定をするなど飼育環境の検討をおこなったが、生きた個体の維持に留まり、生活史情報をデータとしてまとめられる状態には至らなかった。また形態的によく似た山口県産系統/種と研究分担者の飼育する青森産系統/種に加え、和歌山産系統/種について分子データ(核の18S rRNA、28S rRNA、ミトコンドリアのCOIの部分配列)を用いて分類学的に検討を進めた。その結果、形態の詳細な観察をはじめより詳しく研究を進める必要があることが判明した。餌の分子データによる同定も試みたが、青森県産系統/種の餌1種のみを同定することができた。適切な領域とプライマーを選定し、引き続き他の餌の同定を試みる。この他、基礎生物学研究所で、山口県産系統/種の野生個体を用いて、赤外線照射によって頭部感覚器官の機能を阻害(破壊)するための予備実験を実施した。周辺組織を損傷しないと考えられ、照射後も個体の生存するいくつかの条件で海産クマムシ類の頭部感覚器官に赤外線を照射したが、標的サイズが小さく、光学顕微鏡下では照射による損傷の程度を正確に確認できなかった。電子顕微鏡観察で損傷の程度を確認するため照射処理個体を樹脂包埋した。来年度、樹脂を薄切し電子顕微鏡観察をおこなうことで、赤外線照射実験に最適な条件を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
山口県産系統/種の研究が期待よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
生活史の解明、扱っている系統/種の分類学的問題、餌の同定、頭部感覚器官の機能阻害実験など、研究途上の課題の解決を目指す。
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