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藻類共生型原生動物の多様性・生態的意義の探求と進化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K06377
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45030:多様性生物学および分類学関連
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

保科 亮  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 研究員 (40373089)

研究分担者 小倉 淳  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60465929)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード細胞内共生 / 藻類 / 繊毛虫 / 進化・多様性 / サラマンダーアルジー
研究開始時の研究の概要

淡水域では自己の細胞内に多数の球状緑色藻を共生させる様々な原生動物(MARP)がいる。しかし、それら共生藻の種、共生関係の安定度、共生による互いのメリットなど、その実態は不明な点が多い。
本研究では広くMARPを採集し、どんな共生藻を持つのか、宿主内でクローン化されているのか、さらに、宿主を含めた貯蔵物質や細胞構造等を解析し、共生の実態を明らかにする。共生による進化を考える上でカギとなりそうな共生種に関しては、ゲノム解析や比較トランスクリプトーム解析により、MARP内で何が起きているのかを探っていく。共生を可能にする遺伝子群を特定し、有用なキメラ生物作成のための技術開発の基礎を築く。

研究実績の概要

注目している共生藻保有ラッパムシ一種について、過去にサンプリング歴のある池塘群に再度赴いた。過去と同様にラッパムシのブルームが見られ、複数の池塘から研究室に持ち帰った。各サンプルはラッパムシターゲット、緑色藻ターゲットのPCR (SSU-ITS rDNA)をおこなった。各PCR産物をダイレクトシークエンスしたところ、全てにおいてきれいなピークが見られたほか、過去のシークエンスと100%一致した。これにより、ラッパムシ内の共生藻がほぼクローン化されていること、また、それらが入れ替えられることなく維持されていることが示された。
高地湿原の池塘にて、クロサンショウウオと推定される孵化後の卵塊を得た。緑色を呈しており、顕微鏡で覗くと、ゆるく繊維が走る寒天質の中に、特徴ある形状の緑色藻が並んでいた。本藻のSSU-ITS2 rDNAをシークエンスし、SSU rDNAを検索にかけると、99.26%を最大値としてOophila 属(緑藻綱)藻類が占めた。Oophilaはサラマンダーアルジーとも呼ばれ、唯一、脊椎動物との共生が指摘される藻類群である。Blast内系統樹において、Oophilaはいくつかのクレードに分かれるが、本藻はどのクレードにも入らなかった。サラマンダーアルジーの多様性、とりわけ分類については、近縁とされるクラミドモナスやクロロコックムの混沌とした状況(緑色藻綱のさまざまな系統に散在する多系統群)が判明し、本課題の期間中に論文として成果を上げることは困難と判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度は、サンプリングの機会が少なく、期待したほど共生藻保有繊毛虫の取得ができていない。
ミドリゾウリムシのゲノムと遺伝子発現に関する論文を投稿中である。

今後の研究の推進方策

現在注目している共生藻保有繊毛虫、とりわけラッパムシ属に関して、存在を確認済の湖沼や池塘がいくつかある。これらの場所に再度赴き、同サンプルを採取する。目的は1)各種ラッパムシ-共生藻のコンビネーションを再度確認し、その共生状態(一時的保有なのか、永続的保有なのか)を確認すること。2)一部のラッパムシが持つ共生藻が、注目すべき未記載種であることがDNA情報から判明しており、再度のサンプリングにより、中の共生藻を取り出して培養・研究をおこなうこと。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The unicellular green alga Chlorogonium capillatum as a live food promotes the growth and survival of Artemia larvae2023

    • 著者名/発表者名
      Nishida Yuki、Hoshina Ryo、Higuchi Shinnosuke、Suzaki Toshinobu
    • 雑誌名

      Aquaculture

      巻: 566 ページ: 739227-739227

    • DOI

      10.1016/j.aquaculture.2022.739227

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] サラマンダーアルジー Oophila属の処遇に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      保科 亮
    • 学会等名
      日本原生生物学会第56回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ラッパムシが保有する共生藻の多様性・均一性の解析を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      保科亮, 洲崎敏伸
    • 学会等名
      日本原生生物学会第55回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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