研究課題/領域番号 |
22K06420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小山田 常一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00244070)
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研究分担者 |
西 啓太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (60823292)
真鍋 義孝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 名誉教授 (80131887)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 古人骨 / 江戸時代 / 江戸 / 池之端七軒町 / 歯磨き / お歯黒 / 歯科疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸時代は歯科医療にとってエポックメイキングな時代であった。江戸時代は生活が安定し、平均余命も伸びて、生活の質(QOL)にとって歯の健康が重要であることが認識されるようになり、歯科医療的な進歩がみられた。房楊枝を使って歯を磨くことが流行し、歯の欠損を補う部分入れ歯や総義歯が広く使用されるようになり、既婚女性が歯を黒く染める、いわゆる“お歯黒”が一般化した。国立科学博物館には約4800体の江戸時代人骨が保管されており、それらの人骨を調査し、江戸時代の歯科医療が江戸時代人の口腔衛生状況にどのような影響を与え、歯科的QOLを変えていったかを検証することを課題とする。
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研究実績の概要 |
2022年度は2022年8/22-8/26と2023年3/6-3/10の2回、つくば市にある国立科学博物館研究施設にて池之端七軒町遺跡出土近世人骨の歯科学的調査を行った。国立科学博物館研究施設には池之端七軒町遺跡出土近世人骨おおよそ500体分の頭骨があるが、8/22-8/26の期間に75体、3/6-3/10の期間に68体、計143体の頭骨の調査を現時点では完了している。調査内容としては歯牙の残存状況、齲蝕や咬耗,歯磨きによる摩耗等の状況を調査票に記載し、歯や歯槽部の写真撮影を行っている。調査の過程で比較的多くの個体が唇頬面の滑面な歯牙を持っており、歯磨きによる摩耗と考えられた。その内1体の歯牙には軽度ではあるが、歯磨きによる歯頚部の楔状欠損(WSD)の状況が見られ、文献にもある通り近世の江戸では歯を磨くことがはやっていた証拠と考えられる。また比較分析をまだしていないので、観察段階での印象ではあるが、福岡県北九州市小倉出土の近世人骨に比べると齲蝕の歯が少ないように思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育業務が以前よりも増えたことで、十分な調査期間の確保が難しくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度よりもコロナの状況が改善してきているため、調査の回数を増やしたいと考えている。池之端七軒町の近世人骨は所属していた階層が混じっているため、階層が判別できる集団の調査を行いたいと考えている。また近世人骨を保管している他施設への調査も検討したい。
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