研究課題/領域番号 |
22K06458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安村 美里 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20533897)
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研究分担者 |
佐藤 真 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 教授 (10222019)
岡 雄一郎 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 講師 (30614432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 軸索側枝形成 / 皮質脊髄路 / チロシン脱リン酸化酵素 / 軸索側枝 |
研究開始時の研究の概要 |
軸索側枝形成は、複雑かつ精緻な神経回路を形成するメカニズムのひとつである。しかしながら、中心的役割を果たす鍵となる分子が同定されていないため、その分子機構は依然として不明な点が多い。本研究は、申請者らがこれまでの研究から軸索側枝形成の鍵分子であることを見出した受容体型チロシン脱リン酸化酵素に着目し、側枝形成の分子機構を明らかにすることを目的とする。具体的には、側枝が形成される様子をイメージングする方法を確立し、さらに側枝の出芽を促すトリガーとなる細胞外のリガンドや、側枝を伸長させるための細胞内のシグナル経路を同定する。
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研究実績の概要 |
神経回路形成のメカニズムのひとつに軸索側枝形成がある。神経細胞は軸索の途中に側枝を形成し、複数の標的細胞とシナプスを形成する。これにより、神経細胞は複数の神経核に同時に信号を送ることができ、協調的な活動が可能になると考えられている。様々な脳領域の神経細胞が軸索側枝を形成することが知られているが、中心的な役割を果たす鍵となる分子が同定されていないため、軸索側枝形成の分子機構は依然として不明な点が多い。本研究では皮質脊髄路の神経軸索が橋核に伸ばす側枝をモデルとし、軸索側枝形成を経時的に観察する方法を確立し、申請者らがこれまでの研究から軸索側枝形成の鍵分子であることを見出した受容体型チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)の細胞外領域に結合する軸索側枝誘導分子や、下流で働くシグナル経路を同定することで、軸索側枝形成を制御する分子機構を明らかにすることを目的としている。今年度は、軸索側枝形成を経時的に観察する方法の準備と、軸索側枝形成を制御するために必要なRPTPのドメインの同定を行なった。皮質脊髄路起始細胞特異的に赤色蛍光タンパク質tdTomatoを発現するマウスの生後2日目の脳をSeeDB2法で透明化し、Lightsheet顕微鏡を用いて皮質脊髄路の3次元画像を取得した。皮質脊髄路全体が含まれる脳スライスを作製するための位置や角度を決定するために、得られた画像を現在解析している。RPTPは細胞外領域に2つの分子間相互作用に関わるドメインを持ち、細胞内領域にフォスファターゼドメインを持つ。RPTPをノックダウンするためのshRNAベクターとドメイン欠損型のRPTP発現ベクターを皮質脊髄路起始細胞に導入し、軸索側枝形成に与える影響を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
透明化した脳の3次元画像の取得が終了し、解析を行うところまで進めることができた。また、軸索側枝形成を制御するのに必要なドメインを決定するための遺伝子導入実験を全て終えることができ、固定脳からの切片作製までを終えることができたから。
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今後の研究の推進方策 |
皮質脊髄路を全て含む脳スライスを作製し、橋核に軸索側枝が形成される様子を経時的に観察する方法を確立する。RPTPをノックダウンしたり、ドメイン欠損型のRPTPを発現させた場合、出芽が起こる頻度や軸索側枝の伸長速度や長さに変化があるかを検討し、RPTPやそのドメインが軸索側枝形成のどのステップに関与しているのかを明らかにする。
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