研究課題/領域番号 |
22K06462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
石 龍徳 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (20175417)
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研究分担者 |
市村 浩一郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (10343485)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 海馬 / 成体脳ニューロン新生 / 神経幹細胞 / 未熟ニューロン / 微少環境 / PSA-NCAM / 顆粒細胞 / 三次元構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
成体の脳のほとんどの部位では、ニューロンは新生していないが、海馬では例外的にニューロンが新生している。この成体脳ニューロン新生は、海馬における記憶・学習や神経疾患(てんかん、虚血など)に深く関与している。成体脳の密な組織構造の中で、どのようにしてニューロンが生まれ、移動するのかについての詳細はまだわかっていない。また、てんかんなどによって、異常なニューロンの移動が起こることが知られているが、その異常な移動のメカニズムもわかっていない。本研究では、最新技術を用いて、成体脳のニューロン新生部位と移動ニューロンの微細構造を明らかにし、成体脳ニューロン新生機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
海馬では成体になっても例外的にニューロンの新生が続いている。この成体脳ニューロン 新生は、海馬における生理機能(記憶・学習など)や神経疾患(てんかん、虚血など)に深く関与している。海馬のニューロン新生部位は、歯状回顆粒細胞層の内側に存在し、顆粒細胞層下帯(SGZ)と呼ばれている。ここには、神経幹細胞が存在するとともに、ニューロン新生を支えるための微小環境が存在すると考えられているが、その実態はまだ解明されていない。本研究では、この微少環境の形態的基盤と推測される、神経幹細胞、神経前駆細胞、未熟ニューロンとその周囲の血管、周皮細胞、グリア細胞などが構築する3次元構造を解明することを目的としている。本年度、このような解析のために、三次元解析が可能な収束イオンビーム-走査型電子顕微鏡複合装置(FIB-SEM) を用いる実験について検討したが、FIB-SEM法による解析では、ごく狭い範囲しか観察できず、いくつかの細胞が集まったような広域立体構造を解析するためには、連続超薄切片と走査電子顕微鏡(SEM)を用いたアレイトモブラフィーの方が適していることが明らかになった。現在、研究分担者の市村が、この技術を用いて、腎臓を解析中であり、ある程度この技術が確立したところで、海馬のニューロン新生部位の解析を行う予定である。そこで本年度は、透過電子顕微鏡を用いた免疫電子顕微鏡技術により、ニューロン新生部位の基礎的なデータを収集した。その結果、グリアフィラメントと放射状の突起を持つ神経幹細胞は、未熟ニューロンのマーカーであるPSA-NCAMを発現する複数の新生細胞に囲まれたクラスターを形成することが明らかになった。また、このクラスターには時に毛細血管が隣接していることも明らかになった。今後は、このようなクラスターの3次元構造を解析したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
連続断面撮影による三次元解析が可能な収束イオンビーム-走査型電子 顕微鏡複合装置(FIB-SEM)を用いて、ニューロン新生部位の解析を行う予定であったが、解析できる範囲が狭く、いくつかの細胞の相互関係を解析するのが困難であることが判明した。そのため解析法を再検討し、連続超薄切片と走査電子顕微鏡(SEM)を用いたアレイトモブラフィーに変更することを決定した。この変更検討のため、遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」で述べたような問題があるので、今後は、広域立体構造解析に適したアレイトモグラフィーによりニューロン新生部位の微少環境について検討する予定である。
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