研究課題/領域番号 |
22K06484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
網田 英敏 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 特定助教 (80845321)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 神経科学 / 大脳基底核 / 予測誤差 / ドーパミン / 霊長類 / 聴覚 / 前頭連合野 / ウイルスベクター / 報酬予測誤差 / 予測 / 価値 / 認知 / 連合学習 / 感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
ドーパミンが報酬以外の感覚予測誤差信号を伝達しているかどうか、伝達しているとすればどの脳領域に伝達しているかを調べるため、霊長類脳に蛍光ドーパミンセンサーを遺伝子導入し、感覚連合学習課題を遂行しているときのドーパミン動態を計測する。本研究によりドーパミンの多様な機能を明らかにすることができれば、神経疾患や精神疾患などで見られる感覚鈍麻や感覚過敏を引き起こすメカニズムの解明および症状改善法の開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
尾状核頭部において聴覚刺激に対するドーパミン予測誤差信号が観察されたという昨年度の結果を踏まえ、本年度は、尾状核頭部が聴覚情報を皮質領域から受け取っている可能性について解剖学的に検証をおこなった。まず、逆行性ウイルスベクター(rAAV2-retro)をMRIナビゲーションシステムを使ってサル尾状核頭部に局所注入したのち、免疫組織化学染色により、逆行性感染したニューロンの細胞局在を顕微鏡下で観察した。大脳皮質における逆行性標識されたニューロンを解析した結果、前頭極、腹側前頭前野、前部帯状回皮質において顕著な数の標識ニューロンを確認した。これらの皮質領域は聴覚野と相互に神経連絡をしていることが過去の研究から示されている。したがって、これらの領域が聴覚野から受けた信号を情報処理し、尾状核頭部に伝達している可能性が示唆される。今後、これらの皮質領域から聴覚刺激に対する応答を計測することで、皮質-皮質下経路が聴覚刺激の予測をどのようにおこなっているかを明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
逆行性ウイルスベクターによって尾状核頭部に入力する皮質からの投射経路を同定することができた。本成果により、ドーパミンの予測誤差信号が修飾しているターゲット経路を絞り込むことができたため、今後の研究展開につながる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で明らかになった尾状核頭部に投射する大脳皮質領域、とくに前頭極、腹側前頭前野、前部帯状回皮質から神経活動を計測することで、聴覚刺激に対する予測信号が見られるかを検証する。
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