研究課題/領域番号 |
22K06485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
半田 高史 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40567335)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 適応行動 / 皮質ー線条体経路 / 光遺伝学 / マウス / 神経活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、行動した結果(報酬や罰)をもとに次の行動を選択する場面における大脳皮質-基底核回路の脳領域間を結ぶ神経経路の役割を明らかにするために、この回路を構成する大脳皮質(二次運動野と前頭眼窩野)と基底核の線条体のニューロン集団の神経活動パタン(“神経軌道”)が動物の行動成績に応じて相関が高くなるタイミングで、大脳皮質と線条体間を結ぶ二つの神経経路を特異的に神経活動を操作し、それぞれの経路が意思決定に果たす役割を検証する研究である。
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研究実績の概要 |
行動した結果(報酬や罰)をもとに次の行動を選択する場面における大脳皮質-基底核回路の脳領域間を結ぶ神経経路の役割を明らかにするために、この回路を構成する2つの経路(大脳皮質二次運動野-線条体経路と大脳皮質前頭眼窩野-線条体経路)が果たす役割を明らかにすることが主目的である。本研究では、二次運動野-線条体経路は報酬が得られる不確定性が低い時により貢献し、前頭眼窩野-線条体経路は不確定性が高い時に貢献すると仮説をたて、報酬獲得の不確定性が異なる条件下で、2つの神経経路が適切な行動の選択に果たす役割は何かを問う。 2022年度は二次運動野と前頭眼窩野から線条体に投射する経路にチャネルロドプシン(ChR2)を発現させるために、終止コドンカセットの下流にChR2遺伝子を持つ遺伝子改変マウス(Rosa-ChR2-EYFPマウス)の線条体背側中央部に逆行性アデノ随伴ウイルス(AAVrg-Ef1a-mCherry-IRES-Cre)を局所的に注入し、この線条体の亜領域に投射する二次運動野と前頭眼窩野の投射性神経細胞にCreリコンビナーゼを発現させ、その結果、ChR2-EYFPを発現する2領野の場所を解剖学的に確認した。 課題遂行中のマウスから神経活動を慢性的に記録するために、テトロード電極を脳内に刺入するマイクロドライブを外科的にマウス頭部に埋め込み、運動課題遂行中のマウスの一次運動野からリーチング運動関連の神経活動を電気生理学的に記録する手法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度では、行動課題遂行中のマウスの大脳皮質二次運動野と前頭眼窩野から神経活動を記録する予定であったが、大脳皮質から慢性的神経活動記録の手法を確立するにとどまり、二次運動野と前頭眼窩野からの同時記録に至っていない。解剖学的に線条体に投射する前頭眼窩野が脳表面から深く、二次運動野と同時に記録する上で技術的な改善が必要であることがわかり、現在その問題に取り組んでいるため計画よりも時間がかかってしまっている。 また、行動選択課題の訓練方法の確立ができておらず、進行中である。訓練方法確立でき次第、神経活動の記録を合わせて計画内容を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では、解剖学的に特定した大脳皮質二次運動野と前頭眼窩野から神経活動を同時に記録する。テトロード電極の刺入角度を工夫することで両領域からの記録方法を確立する。線条体の局所領域に投射する神経細胞から記録できていることを確かめるために、テトロード電極と光ファイバーを組み合わせ、記録部位で光刺激できるように電極の埋め込み方法を改良する。 光刺激によって発火活動を示す神経細胞を特定できるように解析方法を確立する。
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