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ストレス応答における脳内オキシトシン伝達の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06487
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分46030:神経機能学関連
研究機関自治医科大学

研究代表者

犬束 歩  自治医科大学, 医学部, 助教 (30584776)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードオキシトシン受容体 / 小脳 / 炎症応答 / プルキンエ細胞 / バーグマングリア / ウイルスベクター / 神経ペプチド / 下垂体 / ストレス / 前頭前皮質 / ボリュームトランスミッション / ナノボディ / ドーパミン / オキシトシン / 蛍光センサー
研究開始時の研究の概要

視床下部に局在するオキシトシン産生ニューロンは、多様な脳領域に入出力を持ち、社会行動・摂食・ストレスといった多様な生理現象に関与する。本研究は、①複雑な入出力を持つオキシトシン産生ニューロンの個別の投射経路を選択的に活動操作し、その機能分担/機能連関を明らかにする。また、②オキシトシンに対するGPCRベースの蛍光センサーを用いて、ボリュームトランスミッションの脳内動態およびその機能を明らかにする。①に関しては前頭前皮質のオキシトシン受容体発現細胞がストレス応答において果たす役割について解析する。また、②に関しては軸索投射が少ないにも関わらず豊富にオキシトシン受容体が発現する小脳を対象とする。

研究実績の概要

視床下部に局在するオキシトシン産生ニューロンは、多様な脳領域に入出力を持ち、社会行動・摂食・ストレスといった多様な生理現象に関与する。本研究は、①オキシトシン産生ニューロンの個別の投射経路について選択的に機能を明らかにする。②オキシトシンの軸索投射によらない脳内伝達動態およびその機能を明らかにする。③研究に用いる各種ウイルスベクターを開発する。という3つの大まかな目的を設定している。
2023年度の研究実績としては、主に小脳におけるオキシトシン受容体の発現パターンの制御について成果を得た。小脳におけるオキシトシン受容体の発現にはプルキンエ細胞に発現しているとの報告と、バーグマングリアに発現しているとの報告がそれぞれ存在する。我々は、小脳におけるオキシトシン受容体の発現パターンにはノックインマウスの間でも多様性があることを見出した。次に、発達過程におけるオキシトシン受容体の発現パターンを蛍光レポーターマウス(Oxtr-Cre; Ai14ダブルトランスジェニックマウス)で確認したところ、バーグマングリアでの発現には可変性があることを見出した。さらに、小脳における炎症応答を伴う外傷が、バーグマングリア選択的にオキシトシン受容体の発現を上昇させることを見出した。現在、これらの内容については論文投稿中である。また、岡山大学の坂本浩隆教授と共同研究を行い、オキシトシン産生ニューロン特異的なプロモーターの制御下で細胞膜局在型GFPを発現するAAVベクターを作成した。このウイルスベクターを用いて、下垂体へ投射するオキシトシン産生ニューロンの軸索末端における分泌小胞に関して解析を行い、論文を刊行するに至った(Sakamoto and Inutsuka, 2024- Acta Histochem Cytochem)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

小脳におけるオキシトシン受容体発現に関する研究には大きな進展があった。また、ウイルスベクターの開発に関しても論文刊行に至るだけでなく、新規開発でも有望な成果が得られており、今後の進捗にも期待が持てる。

今後の研究の推進方策

現状としては、研究全般の進捗状況は順調である。今後の研究の推進方策としては、まず小脳におけるオキシトシン受容体の発現制御に関してこれまでに得られている研究成果を遅滞なく論文刊行に繋げていきたい。また、他のプロジェクトに時間を取られて進捗が遅れている前頭前皮質のオキシトシン受容体発現ニューロンの解析には、エフォートを積み増して進捗の回復を図る。ウイルスベクターの開発に関しては、有望な成果が得られていること自体は喜ばしいが、研究全般の進捗のバランスを取るためにエフォートを必要以上に積み増さないよう心がける。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] INSERM(フランス)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] INSERM(フランス)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Membrane-Targeted palGFP Predominantly Localizes to the Plasma Membrane but not to Neurosecretory Vesicle Membranes in Rat Oxytocin Neurons2024

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto Hirotaka、Inutsuka Ayumu
    • 雑誌名

      Acta Histochemica et Cytochemica

      巻: 57 号: 2 ページ: 85-88

    • DOI

      10.1267/ahc.24-00001

    • ISSN
      0044-5991, 1347-5800
    • 年月日
      2024-04-25
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Entrance-sealing behavior in the home cage: a defensive response to potential threats linked to the serotonergic system and manifestation of repetitive/stereotypic behavior in mice2024

    • 著者名/発表者名
      Horii-Hayashi Noriko、Masuda Kazuya、Kato Taika、Kobayashi Kenta、Inutsuka Ayumu、Nambu Miyu F.、Tanaka Kazumasa Z.、Inoue Koichi、Nishi Mayumi
    • 雑誌名

      Frontiers in Behavioral Neuroscience

      巻: 17 ページ: 1-15

    • DOI

      10.3389/fnbeh.2023.1289520

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Nanobody-based RFP-dependent Cre recombinase for selective anterograde tracing in RFP-expressing transgenic animals2022

    • 著者名/発表者名
      Inutsuka Ayumu、Maejima Sho、Mizoguchi Hiroyuki、Kaneko Ryosuke、Nomura Rei、Takanami Keiko、Sakamoto Hirotaka、Onaka Tatsushi
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 5 号: 1 ページ: 979-979

    • DOI

      10.1038/s42003-022-03944-2

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Lability of oxytocin receptor expression in the cerebellum and its modulation2024

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Inutsuka, Aisa Hattori, Masahide Yoshida, Yuki Takayanagi, Yukiko U. Inoue, Tatsushi Onaka
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ストレス応答におけるオキシトシンの機能とその伝達様式の解析2023

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩
    • 学会等名
      第96回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ナノボディを用いた細胞内発現タンパク質を足場としたCreリコンビナーゼの再構成とその応用2023

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩、尾仲 達史
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cre発現トランスジェニック動物がいなくても特定細胞の遺伝子発現制御をする方法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩
    • 学会等名
      第49回日本神経内分泌学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cell type-specific modulation of oxytocin receptor expression in the cerebellum2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Inutsuka, Aisa Hattori, Masahide Yoshida, Yuki Takayanagi, Yukiko U. Inoue, Tatsushi Onaka
    • 学会等名
      第33回バソプレシン・オキシトシン研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 赤色蛍光タンパク質依存的に機能するCreリコンビナーゼの開発と生体内での応用例2023

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩、前嶋 翔、溝口 博之、金子 涼輔、高浪 景子、坂本 浩隆、尾仲 達史
    • 学会等名
      日本生理学会第100回記念大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 社会的敗北ストレスによって誘導される行動変容における前頭前皮質オキシトシン受容体発現ニューロンの生理機能2022

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩、向井 康敬、吉田 匡秀、高柳 友紀、山中 章弘、尾仲 達史
    • 学会等名
      Neuro2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ナノボディを用いた標的タンパク質特異的な遺伝子発現の制御2022

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩、尾仲 達史
    • 学会等名
      第252回生理学東京談話会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 糖尿病・内分泌プラクティスWeb 神経内分泌による行動制御とストレス2023

    • 著者名/発表者名
      犬束 歩、尾仲 達史
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      創新社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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