研究課題/領域番号 |
22K06501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
喜多村 徳昭 岐阜大学, 工学部, 助教 (10503659)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 核酸オリゴマー / 簡便合成 / 核酸医薬 / 多様性指向型合成 |
研究開始時の研究の概要 |
核酸オリゴマーを基本構造とする核酸医薬は、次世代医薬品として期待されている。しかし、核酸オリゴマーの従来合成法で用いられるユニット単位は酸化されやすい上、酸化体を再生して使用することは困難である。また、ユニット単位の合成に手間とコストを要する。したがって、より実用的な合成法を開発する必要がある。本研究では、多様性指向型合成により合成したユニット単位を用いて、わずか2種類の処理を繰り返すのみで鎖伸長が可能な、極めて効率的・実用的な核酸オリゴマーの革新的合成法(Repetitive two-step method for oligonucleotide synthesis; RTOS)を開発する。
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研究実績の概要 |
核酸オリゴマーで構成される核酸医薬は、次世代医薬品として期待されている。しかし、核酸オリゴマーの従来合成法で用いられるユニット単位は酸化されやすい上、酸化体を再生して使用することはできない。また、ユニット単位の合成に手間とコストを要する。したがって、より実用的な合成法を開発する必要がある。そこで本研究では、多様性指向型合成により合成したユニット単位を用いて、わずか2種類の処理を繰り返すのみで鎖伸長が可能な、極めて効率的・実用的な核酸オリゴマーの革新的合成法(Repetitive two-step method for oligonucleotide synthesis; RTOS)の開発を目指した。 まず、RNAよりも簡便に合成可能なDNAのRTOSによる構築を目指すにあたり、DNAを構成するヌクレオシドの中で最も化学修飾が容易なチミジンのオリゴマーをモデル化合物とし、各種官能基を導入したチミジンのRTOS用ユニット単位の合成を検討した。ユニット単位として、3'位水酸基に選択的に除去可能な2つの異なる官能基で保護したリン酸ジエステルを導入し、かつ、5'位にカルベンやその等価体であるジアゾ基に変換可能な官能基を有するチミジン誘導体を設計し、合成を進めた。これまでに5'位水酸基をアジド基に置換し、3'位水酸基に2-クロロフェニル基と2-シアノエチル基で保護したリン酸ジエステルを導入したチミジン誘導体を得ることに成功している。また、5'位水酸基をホルミル基に置換したチミジンをチミジンから直接合成できることを見出した。得られた5'-ホルミル体を用いることで、5'-ジアジリン体や5'-アセチルヒドラゾノ体も最小ステップで合成できた。さらに、オリゴマー合成に先立って合成したユニット単位とリン酸ジフェニルとの連結を検討し、対応する連結体が得られることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RTOSに必要な各種官能基を導入したチミジンのユニット単位を合成し、オリゴマー合成に先立ってユニット単位とリン酸ジフェニルとの反応を検討し、対応する連結体が得られることを明らかにした。しかし、連結効率に改善の余地があり、ユニット単位の構造改変を含めて検討を行っている。そのため予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
RTOSの開発で鍵となるユニット単位の効率的な連結手法を確立し、オリゴマーの構築を目指す。ユニット単位の構造改変も進めながら、連結方法を最適化することにより、本研究課題を推進する予定である。
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