研究課題/領域番号 |
22K06524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三代 憲司 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (60776079)
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研究分担者 |
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30347471)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 環状カルボニル化合物 / 光反応 / 生理活性 / 光化学 |
研究開始時の研究の概要 |
光反応は、高反応性の化学種を利用できること、反応が起こるタイミング・空間を光により精密に制御できることから、生理活性物質合成だけでなく、特定の生命現象の可視化等を目的とする生化学ツールとしても有用であり、目的の反応を効率的かつ選択的に起こす光反応の開発が求められている。申請者は最近、環状カルボニル化合物を利用する新規光反応を見出した。本反応は温和な可視光で行える、水共存下でも効率的に進行する等の特徴を持つことから、生体分子の化学修飾、水溶性生理活性物質の化学修飾に特に有用と期待できる、本申請ではこの新規反応の最適化、生化学ツール・生理活性物質開発への応用を行い、医薬品化学研究の基盤技術とする。
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研究実績の概要 |
二年目である2023年度はアミノシクロブテンジオンを用いる光反応による酸性官能基修飾法の条件最適化及び反応メカニズム解析を行った。 まず、構造が確定していなかった生成物の標品を別経路で合成し、NMRにより反応の生成物の構造が標品と一致することを確かめた。これにより、上記光反応で生成するブテノライドの構造を確定することに成功した。 反応溶媒、pH、試薬の当量等の条件検討の結果、カルボキシ基、リン酸基、テトラゾール、フェノール等の、カルボン酸及びカルボン酸と類似した酸性度の酸性官能基をもつ化合物とアミノシクロブテンジオンの反応により、それぞれの化合物由来の置換基をもつブテノライドを効率的に得る手法を確立した。 また、カルボン酸の修飾は水共存下でも可能であり、水溶性のカルボン酸の修飾を高効率に行うことに成功した。これにより、水溶性生体分子のカルボキシ基修飾にアミノシクロブテンジオンを用いる光反応が適用できる可能性が示された。 また、DFT計算によりアミノシクロブテンジオンを用いる光反応のメカニズムの考察を行った。その結果、アミノシクロブテンジオンの光励起により発生するビスケテンとカルボン酸の反応によりブテノライドが生成する、エネルギー的に妥当なメカニズムを見出だすことができた。本反応では中間体のビスケテンが酸性官能基と位置選択的に反応するが、この理由についてもDFT計算により明らかにした。 これらの成果は国際論文誌Organic Lettersに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
独自に見出したアミノシクロブテンジオンを用いる光反応について、計画に従い条件最適化を行い、より効率的に行う反応条件の確立に成功した。従来報告されたシクロブテンジオンを用いる光反応で水共存下で利用可能なものは報告されていないが、本反応は水共存下で効率的に行えることが可能なため、生体分子修飾への応用が期待できることが特徴である。本成果を国際誌に論文報告しており、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの研究で新規に開発した光反応の詳細を明らかにし、水中でのカルボキシ基修飾への有用性を示すことに成功した。最終年度はカルボキシ基だけでなく、更に様々な酸性官能基を水中で化学修飾すべく、反応条件の検討及び光反応基の構造検討を行う。また、開発した光反応を用いて、ペプチド等様々な水溶性生体分子に含まれる酸性官能基を光照射のタイミングで修飾すべく検討、最適化を行う。これらにより、本手法をより広範な酸性官能基修飾法として確立する。
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