研究課題/領域番号 |
22K06526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
君嶋 敦 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任助教(常勤) (20812134)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 天然物合成 / フロー合成 / 脱芳香族化 / 網羅的合成 / 構造活性相関 / 脱芳香環化 / 連続反応 / DC1149B / Trichoderma lixii / がん微小環境 / 酸化反応 / ジチオジケトピペラジン / 低栄養環境 |
研究開始時の研究の概要 |
DC1149B(1)のPANC-1に対する低栄養選択的細胞増殖阻害活性を担う化学構造の解明に向け、1とその部分構造を有する類縁天然物において、その共通コア骨格オキサザデカリンを、フローシステムを用いた酸化駆動型連続反応により効率的に構築する新手法を確立する。また、同手法を基盤とした巧みなルート設計のもと共通の合成中間体を起点に網羅的かつ系統的に1およびその類縁天然物を効率合成する。さらに、合成した天然物、および種々の合成中間体を用いて、低栄養環境選択的な細胞増殖阻害活性を評価し、1の部分構造ごとの包括的構造活性相関研究を通じて、特徴的な選択的活性の発現に必須な化学構造を解明する。
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研究実績の概要 |
DC1149Bは低栄養環境選択的なヒト膵臓がん由来株化細胞(PANC-1)に対する増殖阻害活性を有するが、本選択的活性を担う化学構造はいまだに明らかになっていない。今回、その活性発現に必須な化学構造の解明に向け、オキサザデカリン骨格を含有する天然物の合成研究に取り組み、合成した天然物、および合成中間体の活性評価を行った。すなわち、2022年度に確立していたフロー光酸素酸化反応を基盤としたチロシン誘導体の脱芳香族的環化反応により効率的にオキサザデカリンエノンを合成し、アミノクマリンとの縮合を経て共通合成中間体をグラムスケールで調製した。さらに、共通合成中間体から保護基の除去、およびオキサザデカリン部位の酸化修飾等を経て、トリコデルマミドD、E、およびFを安定して供給する合成手法を確立し、トリコデルマミドBおよびCの効率的形式不斉合成も併せて達成することで、本成果をまとめて論文投稿を行なった。また、フロー光酸素酸化反応により得られるオキサザデカリンエノンから、新たに光学活性なトリコデルマミドAを合成することにも成功した。一方、合成した化合物の低栄養環境選択的ながん細胞増殖阻害活性の評価により、トリコデルマミドA、E、およびFは弱いながらも低栄養環境選択的な活性を示したが、トリコデルマミドDでは活性が消失する結果となり、本選択的活性の発現において、オキサザデカリン上のヒドロキシ基の位置および立体化学の関与を示唆する結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題である低栄養選択的かつ強力ながん細胞増殖阻害活性に必須な化学構造の解明にむけ、チロシン誘導体を基質とした、独自のフロー光酸素酸化を基盤として、光学活性なトリコデルマミド類の統一合成に成功し、合成したトリコデルマミド類およびその合成中間体の活性評価を行うことで、トリコデルマミド類はDC1149Bと比較して選択性および活性が共に低下することを明らかにできた。さらに、トリコデルマミド類における選択的な活性発現にはオキサザデカリン上のヒドロキシ基の位置および立体化学が関与することを示唆する結果を得るに至った。以上より、本選択的活性発現に必須な化学構造の解析が進みつつあることから、本研究は概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
DC1149Bの合成研究において、トリコデルマミド類の合成に用いた共通合成中間体からの誘導を検討したものの、DC1149Bが有するジケトピペラジン形成には至っていない。そこで、オキサザデカリン骨格構築後のアミド縮合では、アミノクマリンに代えて比較的求電子性の高いエステルを有するアミンとの縮合を経る、ジケトピペラジン形成を検討する。また、選択性および活性の向上を目的として、D-チロシンを出発物質として非天然のトリコデルマミド類を合成し、活性評価を行うことで、より包括的な構造活性相関研究を進める。
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