研究課題/領域番号 |
22K06532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
梅澤 直樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (40347422)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ポリアミン / 固相合成 / 核酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①複数の側鎖構造をもつ新規ポリアミン型オリゴマーの固相合成法を確立し、②標的DNA/RNAと選択的かつ強く結合できる低分子の創製をめざす。天然に存在するポリアミンは側鎖構造をもたないが、私たちのこれまでの研究成果から、ポリアミンに側鎖構造を導入することで、天然ポリアミンと大きく異なる核酸構造選択性を付与できる可能性が示唆されている。独自に開発したポリアミン固相合成法を発展させ、多様な標的分子を効率的に合成できる方法を確立し、合成した分子のDNA/RNAに対する結合能と選択性を評価する。
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研究実績の概要 |
現在用いられている低分子医薬の大半は、タンパク質を標的としており、核酸は医薬品開発のターゲットとして十分に活用されていない。本研究の目的は、①複数の側鎖構造をもつ新規ポリアミン型オリゴマーの固相合成法を確立し、②標的DNA/RNAと選択的かつ強く結合できる低分子を創製することである。 ポリアミンはアミノ基を複数もつ脂肪族炭化水素の総称である。スペルミンなどのポリアミンは細胞内に高濃度で存在し、細胞増殖に必須であることが知られている。ポリアミンがもつアミノ基は中性条件でプロトン化されて正電荷をもつため、負電荷をもつ核酸などの生体分子と相互作用できる。筆者はこれまでに複数のポリアミン誘導体を合成し、核酸との相互作用を検討してきた。得られた知見から、ポリアミンに側鎖構造を導入することで、目的とする機能を付与できるのではないか着想した。 2023年度も2022年度に引き続き、ポリアミン固相合成法の開発を進めた。2022年度までに、市販の試薬のみを用いて固相上で第三級アミンを構築することに成功したが、収率に問題があった。また、マニュアルで試薬の添加や固相の洗浄操作を行っているため、合成に時間がかかるという問題があった。2023年度は、これらの問題点の克服をめざし研究を進めた。特に、自動ペプチド固相合成機を用いた自動合成を中心に検討した。だが、化学的には難しい反応ではないと考えられるものの、側鎖構造をもつポリアミン型オリゴマーの自動固相合成は非常に困難であることが明らかとなった。さまざまな反応条件を検討したが、現時点では、成功に至っていない。筆者が保有しているペプチド自動合成機に加え、複数のペプチド自動合成機をデモで使用したが、良好な結果は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で標的としている「第三級アミノ基をもつポリアミン誘導体」の固相合成が可能になりつつあるが、反応時間や収率等に問題を残している。ペプチド自動合成機を用いた検討を精力的に進めてきたが成功には至っていない。そのため、研究の進捗状況はやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの検討より、市販の試薬のみを用いて標的分子を自動固相合成することが困難であることが明らかとなった。今年度は、以下の2つの方法を検討する。 1)マニュアル固相合成では、市販の試薬のみを用いた標的分子合成に成功している。これまでに見出した反応条件を基盤に、マニュアルでの固相合成を進める。 2)現在の固相合成は工程数が多く、多種類の試薬、溶媒を使用する必要がある。そのため、自動合成のプログラム及び試薬の準備が複雑になる傾向があった。そこで、単純なモノマーを事前に液相合成しておき、自動合成機が得意とする脱水縮合反応と還元反応のみを固相上で実施する。自動合成機で実施する反応をシンプルにすることで、自動合成が可能になるか検証する。 上記検討を進めることで、標的分子を効率的に創出し、核酸との相互作用の検討を進める。
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