研究課題/領域番号 |
22K06549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
高倉 大輔 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 特任教員 (90760231)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | B7-H3 / 糖鎖 / LC/MS/MS / がん / LC/MS / 乳がん |
研究開始時の研究の概要 |
B7-H3は、T細胞の活性化を抑制するB7ファミリーに分類される糖タンパク質で、多くの固形がんで過剰発現していることから、がん免疫療法における新たな治療標的分子として注目されている。本研究ではまず、乳がん臨床組織検体におけるB7-H3糖鎖の組成・構造を明らかにする。加えて、活性化T細胞のがん細胞認識にB7-H3糖鎖が関与しているかも明らかにする。本研究の成果は、B7-H3を介したT細胞の活性化制御機構を解明し、将来的に、高い特異性と高効率な腫瘍縮小効果を持つ次世代型分子標的薬や、高感度な治療効果予測法の開発に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
B7-H3は、T細胞の活性化を抑制するB7ファミリーに分類される糖タンパク質であり、多くの固形がんで過剰発現していることから、がん免疫療法における新たな治療標的分子として注目されている。しかしながら、生体内におけるB7-H3を介したT細胞の活性化制御機構には不明な点が多く、相互作用する相手側タンパク質であるT細胞表面上のリガンド分子や、B7-H3糖鎖の相互作用への関与は明らかとなっていない。本研究では、乳がん臨床組織検体におけるB7-H3糖鎖を明らかにし、T細胞の活性化制御機構に対するB7-H3の役割を解明する上での知見を得ることを目指している。 本年度は、まず、B7-H3の選択的回収法ならびに検出法を最適化した。B7-H3に対する異なる3種類の市販抗体を入手し、リコンビナントB7-H3を用いた免疫沈降法及びウエスタンブロット条件を検討した。次に、乳がん(3種)及び大腸がん(1種)、類表皮がん(1種)、肺がん(1種)由来の細胞ライセートを用いたB7-H3のスクリーニングにより、顕著なB7-H3発現が認められる細胞株を特定し、最適化された手法によりB7-H3が選択的に回収されることを確認した。 並行して、B7-H3の分析条件を最適化した。リコンビナントB7-H3を還元・カルバミドメチル化した後、トリプシン/リシルエンドペプチダーゼで消化した。得られた消化物のLC/MS/MSにより、N91およびN104/322、N215/433、N309を含む糖ペプチドが同定され、B7-H3の部位特異的な糖鎖プロファイルを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度実施予定項目:①B7-H3の免疫沈降法及び分析法の最適化については予定通り完了したため。加えて、乳がん組織由来B7-H3の解析に際して、モデルとなる乳がん細胞株をスクリーニングにより特定できたことにより、研究計画のさらなる発展が期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究成果をもとに、まずモデル乳がん細胞由来部位B7-H3の特異的な糖鎖プロファイルを明らかにする。さらに、乳がん組織検体からも同様にB7-H3を回収し、詳細な糖鎖解析を実施する。また、抗CD3抗体および抗CD28抗体を用いたT細胞処理によるヒトT細胞活性化条件を最適化する。
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