研究課題/領域番号 |
22K06551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
水野 初 名城大学, 薬学部, 教授 (30457288)
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研究分担者 |
杉山 栄二 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (90806332)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 1細胞分析 / オルガネラ / メタボロミクス / 誘導体化 / 1細胞 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内オルガネラに局在する分子を選択的に誘導体化することにより、薬剤などの外因性分子や内因性代謝物の細胞内局在を分析し、より詳細な細胞内分子動態メカニズムを解明する。 ・細胞内環境下、目的成分と高効率で誘導体化できる新規誘導体化試薬の開発 ・細胞内特定部位へ誘導体化試薬を低侵襲かつ定量的に導入するインジェクション法を開発 ・誘導体化細胞内分子の高感度網羅的分析により、細胞内分子ネットワークを構築。
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研究実績の概要 |
細胞内のオルガネラに局在する分子のみを選択的かつ高感度に分析するために、ターゲットとしたオルガネラ内で誘導体化を行う「オルガネラ内誘導体化法」と、誘導体化された分子を質量分析で選択的に検出する「オルガネラ誘導体化分子の高感度質量分析法」を組み合わせた新規分析法を開発し、オルガネラメタボロミクスの実現を目指す。 2022年度は分析対象とするオルガネラを可視化するために、各オルガネラを蛍光染色する試薬の検討を行った。これにより、分析対象とする細胞内のオルガネラを蛍光顕微鏡観察により判別することができるようになる。オルガネラ内の微量成分を質量分析するために、アミノ基やカルボキシ基を持つアミノ基や有機酸に対して誘導体化を行い、イオン化効率の向上を目指したところ、有機酸で数十倍の感度向上を達成した。現在、誘導体化条件などの検討を行っている。細胞内オルガネラインジェクションについては、低侵襲細胞インジェクションシステムのセットアップが完了したので、2023年度からは実際に細胞へのインジェクション条件の検討を行う予定である。これらの研究で得られた知見について、学会発表および論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、2022年度は細胞内のオルガネラに局在する微量成分を高感度かつ選択的に分析するために、質量分析の高感度化と分析対象とするオルガネラの可視化を中心に検討を行った。細胞内オルガネラに存在する微量分子を質量分析計で高感度検出するために、誘導体化を行いイオン化効率の向上を試みた。アミノ基やカルボキシ基を対象とした各種誘導体化試薬を用いて反応条件の検討や高感度質量分析条件の検討を行った。その結果、アミノ酸やTCA回路上の有機酸を用いた場合、誘導体化によって数10倍ほどのピーク強度向上が確認された。また、分析対象とする細胞内オルガネラ選択的にサンプリング、または誘導体化試薬を直接インジェクションするために、オルガネラを可視化するとともに質量分析計でも検出することが可能な蛍光試薬の検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画として、細胞内の様々なオルガネラに誘導体化試薬をインジェクションすることができる条件等の検討を行う。その際に使用する誘導体化試薬の検討や、必要に応じて合成を行う予定である。さらに、オルガネラ内で誘導体化された代謝物を質量分析するために、サンプリング方法や前処理、質量分析条件の各種検討を行う。これらの条件がある程度確定した後、培養細胞を用いたオルガネラごとの代謝物局在解析を行う。
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