研究課題/領域番号 |
22K06559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
正田 卓司 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (60435708)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | O結合型糖鎖 / 誘導体化試薬 / 蛍光 / 糖鎖 / 分析 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖は糖タンパク質の構造の安定化,体内動態,生物活性,免疫原性などに関与している.糖鎖修飾はタンパク質の翻訳後修飾の一つであるが,わずか1残基の違いが,糖タンパク質の機能を左右する.そのため,糖タンパク質の一つである抗体医薬品などにおいて,糖鎖構造の詳細かつ正確なモニタリングは医薬品のライフサイクルを通して不可欠な課題である.そこで本研究では,新規のO結合型糖鎖誘導体化試薬をデザイン・合成し,O結合型糖鎖を高感度かつ簡便に誘導体化が可能な手法を開発することとした.
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研究実績の概要 |
本研究では糖との反応前後で蛍光特性が変化する新規糖鎖誘導体化試薬MPPPの開発を行っている.エキシマー蛍光を利用することで過剰に存在する未反応の試薬を除去することなく,目的の反応生成物を検出することが可能になると考えられる.これまでの検討により開発した一連の化合物はGalNAcやGal-GalNAcなどの糖単体は感度良く検出することが可能であった.今年度は,これまでに開発した化合物の中から蛍光応答性及び溶解性が比較的良好だったnoPhを使って,fetuinをモデル糖タンパク質として糖鎖の検出を試みた.PMPを用いた既知の反応条件ではDMSOをco-solventとして用いることでピークの減少が確認された.PMPは糖鎖の遊離と標識化を同時に行う者であるが,DMSOを使用することで標識化は可能であったものの,糖鎖遊離効率が低下すると考えられた.本化合物はDMSOにしか溶解しないため,既存の反応条件を流用することは難しい.化合物を溶解させるために低極性溶媒―相関移動触媒を用いるなど,さらなる工夫が必要である. 今年度はnoPhに焦点を当てて検討を進めたが,その他にもNMeやCOOH,Oリンカー等の化合物を開発している.引き続き,これらを用いた検討を進め,O糖鎖分析法の確率を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糖との反応前後で蛍光特性が変化する新規誘導体化試薬の開発に成功した.これまでの検討により,溶解性を改善する試薬を開発できた.また次のデザインの方向性を示すことができたことから概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発したNMe体やCOOH体,Oリンカー等の化合物を用いて,引き続き,検討を進める
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